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玉川徹、民意も専門家の意見も無視した五輪強行に無力感と怒り「一部の利益のため戦争だってやるかもしれない」

玉川徹、民意も専門家の意見も無視した五輪強行に「一部の利益のため戦争だってやるかもしれない」無力感と怒りの画像1
テレビ朝日『羽鳥慎一 モーニングショー』公式サイトより

「モーニングショー」(テレビ朝日)では22日も、オリンピックにまつわる問題を玉川徹、菊間千乃、スポーツライターの小林信也、そしてリモート出演で国際医療福祉大学の教授・松本哲哉氏が出演して議論した。

 話題は専門家の提言がほとんど検討されなかったこと、収容人員などを中心に進められ、松本教授が「これから状況が厳しくなったら無観客を検討するぐらいで、残念ながら専門家の提言はほとんど検討されてない」とすると、

 スポーツライター小林氏は、
「スポーツ界が色々積み重ねている実績がある。まったく無視してるわけじゃない」とした。

 さらに開会式は関係者を入れて2万人の収容が予想されながら、大会組織委員会の武藤事務総長の「関係者は観客じゃないから」や、丸川大臣の「上限の外枠にあたる」という詭弁についても、小林氏は「そんなに不思議なことじゃない」とのたまう。

 スポーツ界と我々の世界は、別次元なのだろうか?

 さらにチケット再抽選や関係者枠について、MCの羽鳥慎一アナが「関係者は別枠で、そのほかにもサッカーだの収容人数は増やすのは?」と菊間氏に振ると、

「ウイルスは観客だろうが関係者だろうが選ばないので、リスクが上がることにつながる。なんでもかんでも別枠で処理され、VIPが大事です、日本人はなるべく家でじっとして家で観てくださいというのなら、関係者とお金出した人たちだけでどっか別の所でやってください。なぜそれを日本という場所を使って私たちが我慢して、外から来るVIPの人たちのためにやるのかって見えて、純粋に楽しめなくなってきますよね」とコメント。

 うん、うん、と日本中で多くの人が頷いた瞬間だろう。

 すると、玉川さんが大いなる結論を朗々と申し述べた。

「すべて予想通りです。菅総理がやりたいことは最初から見えているからです。今回これで開催するかしないかは、開催します。観客入れるか入れないかは、入れます。強行したということですよね。強行したことで、僕もそうですが、多くの人は無力感に苛まれていると思います。

一時、8割の人はオリンピックは中止、延期を望んでいたんですよ。いつのまにか押し切られて結局、上の人たち、政府や政権の人たちの思うとおりになっちゃうのねと多くの人が無力感を感じていると思います。無力感は、ここにとどまらないと思います。結局、多くの人が反対して、専門家が論理的な考えに基づいてこうしてはいけないと言っても無視してもやるというこのプロセス、実はこのプロセスが問題です。

結果的に感染は広がらないかもしれない。オリンピックやったとしても。しかし、こういう風に多くの人が反対して、合理的な専門家の意見も無視して強行すれば、いつか大きなしっぺ返しを我々は被ることになる。今回は分からないとしても。それのいちばん悪い結果は、こういう風なことで、一部の人の利益のために、戦争だってやるかもしれないなって僕は思っています」

 この玉川さんの言葉、本当に重い。真剣に考えるべき言葉が発せられたと思う。私たちの思いなど全く考えない、自分たちの利益だけで動く政府。それを放っておくと、とんでもないことになるという、大きなメッセージだった。

和田靜香(ライター)

1965年生まれ。静岡県出身。主に音楽と相撲のライターで貧困問題やフェミニズムにも関心が高い。著書に『スー女のみかた~相撲ってなんて面白い』(シンコーミュージック)、『音楽に恋をして♪評伝・湯川れい子』(朝日新聞出版)、『おでんの汁にウツを沈めて~44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)などがある。

わだしずか

最終更新:2021/06/23 19:00
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