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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『着飾る恋』はTBSからフジへのエール!?

ステマ疑惑の女子アナ涙? 『着飾る恋』で描かれた“ステマ騒動”はTBSからフジへの温情か

『着飾る恋には理由があって』
『着飾る恋には理由があって』公式サイトより

 『着飾る恋』のステマ疑惑を見て思い出されたのは、4月に発覚したフジテレビ女子アナウンサーたちのステマ騒動だった。

 6月15日に放送された『着飾る恋には理由があって』(TBS系)が、第9話でついにSNSの闇に切り込んだ。著名なデザイナーの盗作疑惑に端を発したステマ疑惑に見舞われた真柴(川口春奈)。SNSで作品を紹介しただけの真柴に非はないが、疑惑を信じたフォロワーからの冷たいコメントや事情を知らない人からの遠回しな嫌味に、しだいに疲弊していく姿がリアルだった。

 一方で、フジテレビのステマ騒動は濡れ衣ではない。今年4月、女子アナ7名がある美容室でカットやトリートメント、ネイルなどのサービスを無償で受けさせてもらった対価として、店のSNSに自身の写真を掲載する許可を出していたことがステマに該当するのではと問題になった。

「週刊文春」(文藝春秋)の取材によると、一番多い人で合計45回のサービスを受け、トータル金額は約90万円にものぼっていたことが後のフジテレビ社内調査で判明している。金銭のやりとりこそなくても、換算すればかなり高額な印象であるというのが一般的な感覚だ。フジテレビ側は「ステルスマーケティングに該当する行為ではない」と公式見解を出しているが、これがステマでなければ何か。

 この女子アナ騒動が、『着飾る恋』に影響を与えたのかは定かではない。ただ最終話の脚本は6月に入ってからも制作中であったようなので、ストーリー中でステマを取り扱う際に少なからず制作陣の頭によぎったのではと推測はできる。現実とドラマをやみくもに繋げるのはナンセンスかもしれないが、SNS上にも思わず騒動を連想してしまう視聴者もいたようだ。

 ドラマの真柴は、駿(横浜流星)やシェアハウスのメンバー、上司の松下(ずん・飯尾和樹)や同僚の茅野(乃木坂46・山下美月)、秋葉(高橋文哉)の励ましを受けてもなお、自分のあずかり知らぬところで巻き起こってしまった疑惑と、無遠慮に向けられる悪意に怯える。攻撃的に叩く人、自分では正義感を振りかざしているつもりの人など、SNSを炎上させるコメントを寄せる人といってもタイプはさまざまだが、それは真柴にとって一様に“悪意”でしかない。

 ラストシーンで気丈な真柴がついに涙する川口春奈の迫真の演技は、多くの人の心をゆさぶった。「叩かれれば誰でも追い詰められて潰れてしまう」「SNSはこんな風に人を傷つける」、ひいては「何も知らず叩くべきではない」というメッセージを1話かけてじわじわと伝えてきた『着飾る恋』。真柴と違いまったくの無実とはいえなさそうな女子アナたちだが、一見華やかに見えても叩かれるつらさは人間誰しも同じだ。

 女子アナたちが『着飾る恋』を見たかどうかは分からない。しかし、もしかしたら『着飾る恋』の展開は、フジテレビの女子アナ叩きを不憫に思ったTBSからのフォローだったのかもしれない。

■番組情報
火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』
TBS系 毎週火曜日22時~
出演:川口春奈、横浜流星、丸山隆平(関ジャニ∞)、中村アン、山下美月(乃木坂46)、高橋文哉、向井理、夏川結衣、飯尾和樹(ずん)、赤ペン瀧川、木本夕貴ほか
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、棚澤孝義、府川亮介
プロデューサー:新井順子
音楽:神山羊、兼松衆、田渕夏海
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kikazarukoi_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/06/22 19:30
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