『チコちゃんに叱られる!』スコップ・シャベルの呼び方を『探偵!ナイトスクープ』のアホ・バカ境界線ばりに分布図にしてほしい!
1日が24時間なのは、ナイル川の増水が待ち遠しい古代エジプト人のせい
この日最後のテーマは、「なんで時計は12時までなの?」という疑問だった。確かに! 何なら、午前と午後1時間ずつの2時間にしても良かったはず。まあ、それは言い過ぎとしても、12時を超えて24時まで針が回る時計があってもいいのではないか? ちなみに、早稲田予備校には数字が13時まで並ぶ時計があるという。つまり12時で区切らず、何時に設定したとしてもそれはそれで可能なのだ。
このテーマでチコちゃんが発表した正解は、「シリウスのせい」だった。シリウスとはオリオン座の左下に位置し、太陽を除けば地球から最も明るく見える恒星のことである。
そもそも、時間というのは夜が12時間というところから始まった。12時間のルーツは古代エジプトだ。紀元前3000年頃、エジプト文明はナイル川に沿って発展した。だが、乾燥地帯のエジプトに雨はほとんど降らず、農業をするにも水が不足していた。救いは、定期的に起こるナイル川の増水。水や栄養のある土が増水によって運ばれ、そのおかげで作物が育った。古代エジプトで増水は待ち望まれていたのだ。
古代エジプト人はナイル川増水のタイミングを知るため、星を観察し始める。1年をかけ、地球を1周するのが星だ。2月、南の夜空に見えるのはオリオン座。その後、毎日少しずつオリオン座の見える位置は変わり、1カ月後には夜空のかなり下の方に移動。そして3カ月後には完全に姿が消え、代わりにさそり座が姿を現す。季節によって見える星や星座は変わるのだ。さらに、消えた星は1年経つと元の位置に戻ってくる。だから、古代エジプト人は星を観察し始めた。どの星がどの位置に見える頃にナイル川の増水が起こるのか、そのタイミングを知ろうとしたのだ。
古代エジプト人が設定したのは、10日ごとのスパンだった。10日単位で新たに観測できる星の中から、特に目立つものを“基準の星”にする。例えば、最初は3つの星が並ぶオリオン座の中心に位置する星を、10日後にはふたご座の左側の左足に位置する星を……。このように決めていった“基準の星”が36個目に達すると、次に現れたのはオリオン座の中心の星だった。つまり、360日で星が1周している。古代エジプト人はこの事実に気付いた。というか、よく360日も諦めずに星の観察を続けたものである。写真もないのに1周した事実に気付く洞察力も凄い。古代エジプト人って天才なんだな……。
これらの星のうち、どの星からどの星まで夜間に観測できるかは季節によって変わる。そして、古代エジプト人はシリウスとナイル川が増水する時期の関係に気付いた。ナイル川が増水するのは、日の出前にシリウスが昇るタイミングだとわかったのだ。
これがきっかけとなり、夜は12時間に設定される。日没から次々に現れる“基準の星”を順番に数えていくと、10番目に現れるのはオリオン座。その後、12番目に強い光を放ってシリウスが現れ、同時に夜明けが訪れる。この時期にナイル川は増水するのだ。ナイル川の増水が重要だった古代エジプト人にとって、夜明け前に出てくるシリウスは増水を知らせる重要な星になった。
そこで、この重要な日の夜を“基準の星”に合わせて12分割したのだ。こうして、夜は12時間だと考えられるように。さらに、「夜が12時間なら昼間も12時間だろう」ということで、1日は24時間になった。つまり古代エジプト人にとって最も重要な時期の夜、12番目にシリウスが現れるから時計も12時までになったのだ。そうだったのか! こう言っては何だが、珍しく本気でためになるテーマだったな……。
VTR終了後、チコちゃんからMCの岡村隆史にこんな問題が出題された。
「人はやたらと色んなものを12個ずつまとめたがるじゃない? 鉛筆も12本入りで1箱だし、12個ずつが多い。これも時計が12時までになったからなのかしら?」(チコちゃん)
正解はまだ発表されていない。今夜放送『チコちゃん』で、1週間越しに正解が発表されるという。楽しみ! 本日のゲストは、小芝風花とEXILEのTAKAHIROである。
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