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映画『RUN/ラン』で思い知らされる「だから、毒母は恐ろしい」。その3つの魅力を解説

毒母が恐ろしい理由が、改めてわかる。

毒母が恐ろしい理由が、改めてわかる。

映画『RUN/ラン』で思い知らされる「だから、毒母は恐ろしい」。その3つの魅力を解説の画像3

 本作が描いているのは何しろ「毒母と娘」であるため、「母親の子どもへの愛情とエゴは表裏一体」であることや、「母親とは一体なんなのか?」という定義そのものさえにも思考を巡らせてくれる。その思考のヒントは、ネタバレ厳禁の「とある事実」が判明した時に提示されるが、一方ではっきりとした答えも出さないため、良い意味でモヤモヤし、観終わった後も「宿題」を渡されたような後味が残るだろう。

 また、全ての子どもにとって、自身を育ててくれた母親は「取り替えの利かない」絶対的な存在だ。その母親に支配され、生活だけでなく人生までをもコントロールされてしまうというのは、実は普遍的な恐怖なのではないだろうか。劇中の「ほぼ監禁」はさすがに極端かつ特殊な例であるが、似たような母親への不信感を感じたことがあるという方は、少なくないはずだ。

 そう考えてみれば、「毒母(親)」とはこの世で最も恐ろしい存在と言っても過言ではない。絶対的な信頼をおくべき存在が、自身を心理的に傷つけたり、身体への虐待をしたり、人生を支配したりもする。この世に偏在するどころか、ご近所にもいるかもしれない、それどころか自身の身内がそうなのもかもしれないという毒母は、実際にはいない幽霊やゾンビやモンスターなどよりもよっぽど怖い。その身近な恐怖を今一度認識させてくれる上に、抜群のエンターテインメント性に満ちている『RUN/ラン』を、ぜひ劇場で楽しんでほしい。

映画『RUN/ラン』で思い知らされる「だから、毒母は恐ろしい」。その3つの魅力を解説の画像4

『RUN/ラン』
監督・脚本:アニーシュ・チャガンティ 製作・脚本:セヴ・オハニアン
出演:サラ・ポールソン キーラ・アレン ほか
2020/英語/アメリカ/90分/5.1ch/カラー/スコープ/原題:RUN/G/字幕翻訳:高山舞子
配給・宣伝:キノフィルムズ 提供:木下グループ
© 2020 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:run-movie.jp
公式twitter;@RUN_moviejp
6月18日(金) TOHOシネマズ 日本橋他全国ロードショー

ヒナタカ(映画ライター)

「ねとらぼ」「cinemas PLUS」「女子SPA!」「All About」などで執筆中の雑食系映画ライター。オールタイムベスト映画は『アイの歌声を聴かせて』。

Twitter:@HinatakaJeF

ひなたか

最終更新:2021/06/19 07:00
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