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内閣府発表「2021年版高齢社会白書」が示す、思ってるより深刻な高齢化社会の現実 生活保護も増

内閣府発表「2021年版高齢社会白書」が示す、思ってるより深刻な高齢化社会の厳しい現実 生活保護も増の画像1

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、高齢化という“病魔”が着実に日本を蝕んでいる。2020年10月1日現在の高齢化率は28.8%まで上昇、約3人に1人が65歳以上となっている。

 6月11日に内閣府が公表した「2021年版高齢社会白書」によると、日本の総人口は2020年10月1日現在で1億2571万人。このうち、65歳以上の人口は3619万人で、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.8%となった。(以下、データはすべて2020年10月1日現在)

 2017年4月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」によると、日本の総人口は、長期的な減少過程に入っており、2029年には1億2000万人を割り込み、2053年には1億人を下回って9924万人となり、2065年には8808万人になると推計されている。

 こうした人口減少の中で、65歳以上の高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった2015年に3347万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には3677万人に達すると見込まれている。

 2020年10月1日時点で、「65歳~74歳人口」は1747万人と総人口に占める割合は13.9%。「75歳以上人口」は1872万人で総人口に占める割合は14.9%と、65歳~74歳人口を上回っている。

 65歳以上人口は2042年に3935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されているが、少子化の影響から総人口が減少する中で65歳以上の者が増加することで、高齢化率は上昇を続け、2036年に33.3%と総人口の3人に1人となる。

 高齢化率は2065年には38.4%に達し、総人口の約2.6人に1人が65歳以上となると推計されている。総人口に占める75歳以上人口の割合は、2065年には25.5%となり、約3.9人に1人が75歳以上の者となると推計されている。

内閣府発表「2021年版高齢社会白書」が示す、思ってるより深刻な高齢化社会の厳しい現実 生活保護も増の画像2

 年金などでよく問題になるが、高齢者(65歳以上)人口と15~64歳(生産年齢人口=現役世代)人口の比率を見てみると、1950年には1人の高齢者に対して12.1人の現役世代がいた。つまり、1人の高齢者を12人の現役世代が支えていた構造(お神輿のような状態)だった。

 これが、2000年には高齢者1人に現役世代3.9人(騎馬戦の騎馬のような状態)となり、2015年には高齢者1人に対して現役世代2.3人になった。今後、高齢化率は上昇し、現役世代の割合は低下することで、2065年には高齢者1人に対して現役世代1.3人(肩車のような状態)という比率になる。(表1)

 高齢化の進展とともに、平均寿命も延びている。日本の平均寿命は、2019年現在、男性81.41歳、女性87.45歳。今後も男女とも平均寿命は延びて、2065年には男性84.95歳、女性91.35歳となり、女性は90歳を超えると見込まれている。

 2019年現在、65歳以上の高齢者のいる世帯数は2558万4000世帯と、全世帯(5178万5000世帯)の49.4%を占めている。つまり、約半数の世帯には高齢者がいるということだ。

 高齢者の一人暮らしは男女ともに増加しており、1980年には男性約19万人、女性約69万人が一人暮らしを行っており、高齢者に占める割合は男性4.3%、女性11.2%だった。これが、2015年には男性約192万人、女性約400万人に増加、高齢者に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっている。

 さらに、高齢者の生活保護受給者は増加傾向が続いており、2018年には104万人となった。これは、高齢者(65歳以上)の2.93%(100人に約3人)が生活保護を受けているという、厳しい現実を映している。

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