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『クイズ!脳ベルSHOW』の「白塗り芸能人」回が、画面も問題も白づくし! 前評判通りのカオス!?

『クイズ!脳ベルSHOW』の「白塗り芸能人」回が、画面も問題も白づくし! 前評判通りのカオス!?の画像1
『クイズ!脳ベルSHOW』(BSフジ)公式サイトより

 6月9日の『クイズ!脳ベルSHOW』(BSフジ)は放送前から話題沸騰だった。この一週間は各ジャンルごとの有名人をテーマごとに選抜し、クイズで真剣勝負させる企画ウィーク、その名も「もう一度見たい! おもしろ選抜」だったが、7日はミュージシャン選抜、8日は女子プロレスラー選抜と比較的まともなのに、9日は唐突に「白塗り芸能人」にフォーカスしてキャスティングしているのだ。

 回答者は、以下の4人。

・コウメ太夫(49)・芸人……「エンタの神様」でブレイク。1年ぶり3回目の出演。
・アツシ(56)・歌手……パンクバンド「ニューロティカ」ヴォーカル。11ヶ月ぶり4回目の出演
・氏神一番(62)・歌手……ロックバンド「カブキロックス」ヴォーカル。9ヶ月ぶり9回目の出演。
・岩崎ひろし(68)・俳優、声優……『スター・ウォーズ』C-3POの吹き替え。10ヶ月ぶり3回目の出演。

 バイオグラフィーからして興味深い。特に、氏神の62歳という年齢に驚愕だ。顔を塗ってて年齢を判断できないから、数字にされるといきなり現実を突きつけられて面食らう。というか、この人は『脳ベルSHOW』にもう9回も出演しているのか……。

 そして、絵づらにも驚愕。画面が白いのだ。カメラマンも苦労したのだろう。明らかにホワイトバランスの調整がおかしくなっており、司会のますだおかだ・岡田圭右の顔が他の日と比べて明らかに黒いのだ。波乱の幕開けである。

 しかし、1つだけ看過できない。コウメ、アツシ、氏神はわかるが、岩崎のゲスト起用はいかがなものか? 元々は普通の格好をしている俳優さんなのに、テーマに合わせてこの回のため無理やり白塗りにして出演しているのだ。

「これ、2~3日前にできたキャラで」(岩崎)

 通常運転の日でもこの番組のキャスティングには笑うが、この回は格別。本気なのか裏笑いなのか正面切って笑わせに来ているのか、判定に迷う。

白いスタジオで白い芸人がギャグ

 何度も言うが、白づくしだ。番組前半の問題VTRで登場したのは、「レボリューション!」の持ちネタでおなじみの芸人、ゴー☆ジャスだった。しかも、彼が一生懸命ギャグをしているスタジオの背景は目がチカチカするほど突き抜けた白壁。白塗りの芸人に白スタジオという、食い合わせの悪いシチュエーションである。

 ゲストはゴー☆ジャス以外にもいる。番組の後半に登場したのはトランプマンだった。何も、マジシャンがわざわざこんな番組に出ないでも……。

岡田   「断りなさいよ(笑)。何で受けたんですか?」
川野アナ 「白塗りだからです」

 このときに出された問題は「トランプマンが演じるジェスチャーを見て、彼が再現しているドラマの作品名をお答えください」という内容だった。すると、物凄い表情で跪き、土下座をし始めるトランプマン。大抵の人はもうおわかりだろう。彼が再現したのは、名作『半沢直樹』(TBS系)だった。

 いや、それ以前にトランプマンのジェスチャーを見たのは今回が初めてである。よりにもよって、どうしてトランプマンが大和田常務の土下座を再現しているのか? 『クイズ☆タレント名鑑』(TBS系)がトランプマンに足つぼマッサージを施して強引に発声させようとしたことがあったが、あのとき以来のカオス。意図がわからない分、『脳ベルSHOW』のほうが無理筋な企画だ。

キャスティングもクイズの内容も白い

 白いのはキャスティングだけではない。この日は新機軸として「早押し黒ひげサバイバル」なるコーナーが登場した。クイズの正解者がカードを1枚選び、そこに書かれた指示(剣を刺す者や刺す剣の本数を指令)に従ってゲームを進めるというルールである。恐らく、「白」塗りと対をなす「黒」ひげという狙いなのだろう。同コーナーで出された問題はこんな内容だった。

・シロクマの正式名称は、何グマでしょうか?(答え「ホッキョクグマ」)
・戦国武将で天下統一を果たし、「関白」になった武将の名前は?(答え「豊臣秀吉」
・3月14日は何の日?(答え「ホワイトデー」)
・玄米を精米したお米は何?(答え「白米」)
・一流医大の権力争いや医療過誤の実態を描いた山崎豊子のベストセラー小説のタイトルは?(答え「白い巨塔」)
・1977年、アメリカから初来日した白塗りのハードロックバンド、このグループ名は何?(答え「KISS」)

 黒ひげは黒いけれど、クイズは白い。白にちなんだ問題の連続である。まあ、正確に言うと「3月14日は何の日?」という問いは「円周率の日」「国際結婚の日」と他にいくらでも正解が出てきてしまい、ツッコミどころが多い。でも、野暮は言うまい。そういうのは二の次の番組だ。

 結果、白熱のクイズ戦を制したのはアツシだった。最後のヒーローインタビューで、優勝者がバッチリと決めてくれた。

「白塗りは平和の象徴です!」(アツシ)

 どういうことなのか? 真意は掴みかねるが、パンクな力技に説得力を感じた。

 この「白塗り芸能人」企画、第2弾も可能なはずだ。麿赤児、鈴木研一(人間椅子)、デーモン閣下、犬神サアカス團と、後に控える白塗りはまだ大勢いる。昨年放送『相席食堂』(ABCテレビ)が行った「白塗り-1グランプリ」とキャスティングが被り切っていないという点も、人材の豊富さを表していて頼もしい。
 

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/06/16 14:00
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