『関ジャム』3ピースバンドのギターボーカル特集。TRICERATOPSとNirvanaの代表曲の共通点とは
#関ジャム
6月6日の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で、和田唱(TRICERATOPS)の持ち込み企画「実は超大変! 3ピースバンドのギターボーカル特集!」が放送された。
ワクワクさせる特集だ。まず、3ピースといえばどのバンドを思い浮かべる? ざっと、ブランキージェットシティ、Hi-STANDARD、ゆらゆら帝国、eastern youth、サンボマスター、WANIMA、ACIDMAN、人間椅子、外道などが、海外に目を向けるとThe Jam、Nirvana、Police、Green Day、Cream、ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス、ベック・ボガート & アピス、ZZ Top、RUSH辺りがパッと思いつく。
そういった3ピースバンドの数々を紹介する企画かと思いきや、そうではないらしい。3ピースバンドにおけるギタボ(ギターボーカル)の難しさと楽しさを啓蒙する内容のようだ。確かに、4人で演るより3人で演ったほうが大変。スピッツの草野マサムネがレミオロメンについて「僕らが4人でやっていることを3人でやっているから凄い」と評したエピソードは有名だ。
最も大変なのは、ギターを弾きながら歌うことだろう。と言っても、4人編成のギタボならばバッキングを演奏し、もう1人いるリードギタリストがリフを演奏すればいい。しかし、3ピースだとギタボがリフを演奏しなければならないし、それと同時に歌う必要がある。手と口で違うことをするのだから、とても大変だ。
ちなみに今回、和田と共にゲスト出演したミュージシャンは小出祐介(Base Ball Bear)と宮崎朝子(SHISHAMO)の2人だった。元々、Base Ball Bearは4人編成のバンドだったが2016年に旧メンバーのギタリスト・湯浅将平が失踪し、そのまま脱退。以来、意図せず3ピースバンドになってしまった。その過去について、関ジャニ∞の村上信五と大倉忠義は無邪気に質問しに行った。
村上 「小出さんは、以前は4人組でも組んでらっしゃったんですよね?」
小出 「うちのバンドは元々、4ピースのバンドなんです。バッキングで結成から15年やってきて、ギターが抜けて、そこから5年ずっと3ピースなんです」
大倉 「何があったんですか?」
小出 「ま、色々あったんですよね」
村上 「聞くな、聞くな! そんなん言うなら俺らも色々あったやないか」
元々、関ジャニはギターを担当するメンバーが3人いたが、その内の2人(渋谷すばると錦戸亮)が脱退。現在は安田章大が3本分だったはずのギターパートとボーカルを1人で担当している。
安田 「なんか色々あったんですよ、僕らも」
思わぬ流れで関ジャニがベボバに共感! でも、笑い事じゃない。すでに彼らは4人編成、7人編成の演奏に体が慣れていたのだから。
小出 「だいぶびっくりしましたよ。体質を変えなきゃいけないから」
村上 「これは我々もわかるけどね。急に5人になったときに、歌割り変わる、やること(演奏)ちょっと変わるってなったら、前に覚えてる手と口が蓄積されてるから、急に動けないんですよね」
小出 「マジでそうなんですよ、無理ですよ」
例を挙げると、フジファブリックが志村正彦在籍期の曲を演奏する際、山内総一郎は本当に忙しそうだ。リードギターを弾きながらメインボーカルも担当するギタボの凄さを、改めて認識する。布袋寅泰やchar、hide、坂本慎太郎らは、まさに別格。ゲイリー・ムーアやブライアン・セッツァーなんて神業の域だ。
ギタボの愚痴大会が始まる
3ピースバンドのギタボの難しさと楽しさを啓蒙することが今回の趣旨。中でも“難しさ”に言及すると、スタジオはギタボの愚痴大会の様相を呈してしまった。特に、小出は「レコーディングが不平等」だと訴える。まずドラム・ベースを録音し、その後にギターを入れ、最後に歌入れするのがレコーディングの主な流れだ。
小出 「もっと言ったら曲作ってるのも自分だし、レコーディングも常に立ち会ってディレクションもして、詞も書いて、歌も入れて、ミックスの作業も僕中心でやって、何ならプロモーションもやります。『ずっとかよ!?』と(笑)」
村上 「しゃあないやん、その道選んだんやから!」
確かに仕方がない。村上の言う通り、自分で選んだ道のはずだ。
「しょうがないんですけど、ただ時々、メンバーがツイートで『今日はあのゲームが面白かった』とか(自分がプロモーションをしている)合間で書いていたりするとイラっとしますね」(小出)
そんな、芸人じゃないんだから……。片方がネタを書き、その間に片方が伸び伸びと遊ぶお笑いコンビみたいだ。特に、日本にはワンマン体制のバンドが多いし、起こりがちな問題だろう。ただ、バンドの場合、受け持つ分量が多いほど印税の額も違ってくるはず。見返りがあるのに不平を言っていたら、バンド間の空気はどんよりしてしまいそうだ。その点、いくらネタを書いても収入が変わらないお笑いコンビの構造は辛すぎる。
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