安倍前首相が露骨なスルー! 河野太郎から遠のく首相の座…菅首相後任はどうなるのか
#安倍晋三 #自民党 #総裁選 #河野太郎
河野を将来の首相に育てようとする菅の思惑
菅と河野は同じ神奈川選出の国会議員ということで関係が深い。菅が昨年9月の内閣発足で、神奈川出身の河野を行政改革担当大臣に、小泉進次郎を環境大臣に抜擢したのも、二人を将来の宰相候補として育てようといる狙いがある。同時に、自らの首相退陣後、キングメーカーに成らんとする菅の意図も見え隠れする。
もし五輪が中止となったり、ワクチン接種の更なる遅れと混乱が生じた場合、菅が9月の自民党総裁選を待たずに退陣することもありえる。その際、河野が総裁候補の筆頭に躍り出る可能性も浮上してくる。
しかし、菅の引きがあっても、肝心の所属する麻生派内での河野の評価は低い。麻生派の関係者は「大分良くなってきている」と前置きしながら、「これまでの周囲を顧みないスタンドプレーに過激発言。派が一丸となって推せる総裁候補ではない」と手厳しい。
安倍の盟友、麻生太郎は今年9月で81歳になる。河野が現時点で首相になることは自民党指導層の完全な世代若返りと自らの政治的影響力低下を意味するので猛反対しているという。
繰り返されるのか一郎、洋平の悲劇
河野太郎は神奈川県を地盤とする政治家の三代目だ。祖父、一郎は副総理、東京五輪担当大臣、農林水産大臣などを務めた自民党の実力者。自ら率いた河野派には後に首相となる中曽根康弘もいた。
1964年10月の東京五輪閉会式翌日に、喉頭がんのために池田勇人(はやと)が退陣を表明すると、後継総裁候補の1人に名前が挙がったが、池田が最終的に後継総裁に指名したのは安倍の大叔父、佐藤栄作だった。一郎は、最近では、過去最低の視聴率に終わった2019年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)」に実在の人物として登場し桐谷健太がその役を演じたので、若い世代にも多少の馴染みがあるかもしれない。
そして、父親の洋平は祖父一郎が果たせなかった自民党総裁の座を手にするが、とうとう首相にはなれなかった。村山富市首班の自民・社会・さきがけの連立政権で洋平は副総理・外務大臣で入閣していた。
1995年夏の参議院議員選挙で与党が不振に終わると、村山は自民党総裁である洋平に政権禅譲を提案する。しかし、これに小渕派会長の小渕恵三が待ったをかける。河野は次期総裁選に出馬することも叶わず、結局、橋本龍太郎が総裁となり後継の首相となった。
祖父の一郎も、父親の洋平も首相の座が手に届きそうになりながら、最後の土壇場で、運命の女神に見放される。特に洋平は、村山首相から政権禅譲を相談されるなど、父親の一郎よりも、もっと近くに首相の座を引き寄せながらチャンスをものにできなかった。
これに加え、洋平には宮崎喜一内閣の内閣官房長官だった1993年8月4日に発表した「河野談話」がある。従軍慰安婦問題で初めて日本軍や官憲の関与を認め、「おわびと反省」を表明したのだが、これが後に韓国側からの更なる批判を招き、世界各地に慰安婦像が建てられる要因となった。
自民党保守派は河野談話こそが今の日韓関係の悪化を招いた主要因として、談話の修正または取り消しを求めている。首相を目指す太郎にとり、談話は今も大きな呪縛となっている。
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