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経済産業省「大学発ベンチャー」過去最高と発表―苦境に陥る日本経済復活の兆しになるか?

経済産業省「大学発ベンチャー」過去最高と発表―苦境に陥る日本経済復活の兆しになるか?の画像1
写真/Getty Imagesより

 新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業が影響を受けている中で、大学発祥のベンチャー企業が順調に拡大している。経済産業省が発表した「大学発ベンチャー実態調査」によると、2020年度調査では企業数が増加数ともに過去最高を記録した。

 大学発のベンチャー数は10月時点で、2019年度調査の2566社から339社増加し、2905社となった。大学発ベンチャーは、1995年度調査で100社を超え、その後は倍々ゲームで増加、1998年度調査で215社、2000年度調査で420社、2003年度調査で960社、2008年度調査では1807社にまで増加した。

 しかし、その後の増加数は緩やかに推移し減少に転じる年もあったが、2016年度調査から再び、騰勢に転じた。

 一方、新規創業数は143社と2019年度調査から101社の減少となった。近年、新規創業は200社を超える高水準で推移していたが、大幅な減少に転じた。

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 2020年度調査で、大学発ベンチャーではなくなった企業は69社、このうち解散・閉鎖した企業は23社。解散・閉鎖した企業のうち企業買収された企業は4社だった。M&Aによる解散は、2016年度以降で21社把握されている。

 ちなみに、米国の大学発ベンチャーの設立後5年の存続率は24.5%なのに対して、日本の大学発ベンチャーの存続率は78.9%と非常に高い。

 大学発ベンチャーの業種を見ると、「バイオ・ヘルスケア・医療機器」が907件と最も多く、次いで「IT(アプリケーション、ソフトウェア)」868件、「その他サービス」863件と続き、この傾向に変化は見られない。

 2020年度調査でIPO(株式公開)したのは2社で、2021年1月時点で株式公開している大学発ベンチャー企業は合計66社となり、時価総額の合計は3兆630億円と前年から5580億円増加した。

 では、どの大学がベンチャーを多く輩出しているのか。2020年度調査では1位が東京大学の323社で、2019年度は268社、2018年度は271社で1位、2位が京都大学で2020年度222社、2019年度191社、2018年度164社で2位となっており、1、2位は東京大学、京都大学の順が続いている。

大学名 企業数 新規創業数
東京大学 323 1
京都大学 222 2
大阪大学 168 3
筑波大学 146 6
東北大学 145 4
九州大学 124 5
東京理科大学 111 20
名古屋大学 109 7
東京工業大学 98 10
慶應義塾大学 90 8
早稲田大学 90 8
デジタルハリウッド大学 88 11
立命館大学 60 26
北海道大学 54 13
広島大学 52 12
九州工業大学 44 14
龍谷大学 44 14
会津大学 39 16
神戸大学 38 16
名古屋工業大学 35 21
静岡大学 35 18
岡山大学 32 18
千葉大学 30 27
徳島大学 28 29
電気通信大学 27 22
熊本大学 27 23
鹿児島大学 23 29
横浜国立大学 22 28

 しかし、3位以降は順位の毎年度、順位の変動が起きている。2020年度の3位は大阪大学だが、2019年度は141社で3位も、2018年度は106社で4位だった。これに対して、筑波大学は2020年度146社で4位、2019年度114社で6位、2018年度111社で3位と順位変動している。

 2017年度からの増加数を見ると、東京理科大学が2017年度5社から2020年度111社と22.2倍になっている。次いで、岐阜大学が7社から20社の2.9倍、東北大学の56社から145社の2.6倍、立命館大学の26社から60社の2.3倍とこの4大学が3年度間でベンチャー企業の輩出を倍以上にしているが、東京理科大学の増加率が突出している。

 このほかにも、東京工業大学が53社から98社、大阪大学が93社から168社、慶應義塾大学が51社から90社などの増加が目立っている。

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