東京五輪、ホストタウン受け入れ20%が断念―計画とん挫、最後の砦は?
#東京五輪 #新型コロナウイルス #ホストタウン
東京五輪選手団として初めて、事前合宿するソフトボール女子オーストラリア代表が6月1日、来日後群馬県太田市に到着した。
成田空港からバスで2時間半以上かけてやってきた代表選手たちの今後はそのまま、開催まで50日と迫っているオリンピック・パラリンピックの成功の可否を握っている。
午後1時半にバスが宿舎となる太田市のホテルに到着すると、選手たちは笑顔を見せながらそのままチェックインを済ませた。7月16日までの長期間滞在するベースとなるが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため部屋と食堂、トレーニング室と球場以外は一切自由行動が許されていない。長年、五輪取材を行うテレビ局関係者も「普段なら歓迎式典もあるし、選手たちと地元住民の交流もあるが全て中止になった。盛り上がりもなく寂しい限り」と話した。
今後もオーストラリア代表に続く選手団が入ってくるのかと思われるが、同じ日に丸川珠代五輪担当大臣は事前合宿、事後の交流をキャンセルした自治体が100以上あることを公表した。全国で528自治体が受け入れ登録をしており、その20%ほどが幻となった格好だ。
丸川大臣は「まだ交渉している」と話したが、五輪関係者は「陸上のアメリカ代表など有力選手団が次々と事前合宿を行わず、大会直前に来日することが決定的。今後もあまり増えないと思う」とがっかりしている。
「五輪選手たちを出迎えるためには、政府が定めたホストタウン向けの感染対策マニュアルをクリアしなければならない。ところが、専用の移動手段を確保するなどとにかくお金と人と時間がかかる。今までは自分たちの街のPRを兼ねて税金を投入してでも元が取れると判断して立候補していた自治体が多い。ですが、今の状況では受け入れたところで何のメリットもありませんし、受け入れることでコロナウイルスに敏感な住民からデモでも起こされたらそれこそ本末転倒です」(同)
オーストラリア代表ご一行にとっては過去に数回合宿を実施した場所のため勝手知ったる土地であるとも言える。
「練習環境は申し分ないでしょうけど、問題はその他の時間をどうやって過ごすかにかかっている。酒盛りをするわけにもいかないし、これといった名所も近くにはない。オーストラリアはコロナ対策が厳しい国のため、日本が準備したレールに乗って合宿をやってくれるだろうと期待され政府も入国を認めたのでしょう」(同)
選手たちは毎日PCR検査を実施し健康に留意する。入国が認められて後に続く国は果たして本当にあるのだろうか。
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