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日刊サイゾー トップ  > 渋沢栄一の“師匠”、伊藤博文の女好きエピソード

『青天を衝け』山崎育三郎演じる伊藤博文はセクシー!? 渋沢栄一に「色の道」を教えた“屈指の女好き”エピソード

──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく! 前回はコチラ

『青天を衝け』山崎育三郎演じる伊藤博文はセクシー!? 渋沢栄一に「色の道」を教えた“屈指の女好き”エピソードの画像1
『青天を衝け』公式サイトより

 日本史屈指の色好みの男として知られる伊藤博文を、あの山崎育三郎さんが演じるということでネットが賑わいましたね。山崎さんと言えば2020年度前期の朝ドラ『エール』で、色男の「プリンス」こと佐藤久志役を熱演していたことが記憶に新しいのですが、今度は伊藤博文ですか……。

 『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一もかなりの性豪ですが、彼自身の言葉を信じるのなら、渋沢に色の道を教えた師匠が、伊藤博文であったとのこと。伊藤という人物の面白さを語る際、セクシーな要素は欠かせません。世の育三郎ファンをも満足させる、セクシーな伊藤博文が今回の大河ドラマでは描かれることを期待してしまいますね。

 歴史の教科書的に伊藤博文を説明するなら、彼は初代内閣総理大臣にして、大日本帝国憲法を発布させた「偉人」です。しかし、長州藩出身の伊藤は当初、あまりパッとした存在ではありませんでした。

 彼が武士として生きることになったきっかけは、父親が農民から武士社会の最底辺といってもよい下級武士に“転職”したこと。名実ともに「新米武士」である伊藤は、16歳~17歳くらいの時には、吉田松陰の主宰する松下村塾で学んでいたこともありました。

 しかし、吉田松陰の伊藤評は「(伊藤は)質直にして華なし。僕(=吉田)、すこぶるこれを愛す」というだけ。「素直で、目立とうとしないところが良い」という寂しいものでした。一方、伊藤が兄貴分として慕っていた高杉晋作について、吉田松陰は「其の精識なるに至りては、則ち余の及ぶ所に非ざるなり」……「高杉君の知識はすばらしいので、私には太刀打ちできないですよ」などとベタボメしているので、伊藤がいかに生真面目だけれど、目立たない生徒であったかがわかります。

 その伊藤が、後に日本という国のトップである内閣総理大臣に就任するだけでなく、日本史屈指の女好きに成長(?)していくとは、当時の誰が想像したでしょうか……。

 伊藤は生涯で2回結婚しているのですが、最初の妻・入江すみ子は、松下村塾時代の“クラスメイト”入江九一(いりえ・くいち)の妹です。美人として知られたすみ子を、伊藤は彼の生涯のライバルである山縣有朋と奪い合った末に、結婚することに成功しています。

 基本的に、伊藤は女性に対して「NO」を言わない男で、誰に対してもマメで優しいのですね。しかし彼はすみ子という妻がいるのに、とある芸者を妊娠させてしまい、すみ子とは「デキ婚」ならぬ「デキ離婚」を遂げています。

 伊藤博文は、井上馨ら「長州ファイブ」と呼ばれる5人の仲間と共にイギリスに留学しています。文久3年(1863年)から約1年ほどの間でしたが、現地で英語を学ぶかたわら、ロンドン大学ではイギリスの憲法などを研究しました。イギリスでも現地の美女にカネをつぎこんで、日本に強制送還されそうになったという噂もなくはないのですが、パリの街娼を日本に連れ帰ろうとして断られた渋沢栄一ほどハッキリとした話はないようです。伊藤は吉田松陰の評どおり、真面目な時には本当に真面目な人物だったようですね。

 明治時代になると英語が堪能な国際派・伊藤博文の活躍の場は広がる一方でした。真面目な逸話は『青天~』で丁寧に描かれるでしょうから、本コラムでは明治時代に開花した、伊藤の不真面目な方面のお話をしたいと思います。

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