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【実録】メルカリで250万散財! 恐るべき「メルカリ破産」の実態【インタビュー】

【実録】メルカリで250万散財! 恐るべき「メルカリ破産」の実態【インタビュー】の画像1

 今や日本国内の8人に1人が使っているというフリマアプリ「メルカリ」。読み終えた本や着なくなった服、家電や化粧品などがアプリ上で簡単に売り買いできるため、2013年のサービス開始以降、急速にユーザー数が増えている。最近ではTVCMもバンバン流しているし、サステナブルな時代の要請にも合っているし— — ?

 たが、その便利さゆえに、メルカリで多額のお金を使ってしまう、いわゆる「メルカリ破産」をした人がいる。そんな「メルカリ破産」の経験者に話を聞いた。

「250万円貸して!」母を叩き起こした夜

 フリーランスでライターなどの仕事をしている千葉N子(@chibaenuco)さん。多い時には月70万円ほどの収入があったという千葉さんは、実家暮らしをいいことに、メルカリで服やジュエリーなどを買い込んできた。

「親に生活費を少し渡してはいますけど、基本的に、収入分は全部買い物にブッこんでいます。先月はアホみたいに使って、120万円ぐらい使っていました」(千葉さん、以下同)

 クレジットカードの悪名高きシステム「リボ払い」を使い倒し、収入以上の買い物をしていた。ボーナスを切り崩して、なんとか返済してきたが、ついに首が回らなくなった。

「この間、真夜中に母を叩き起こして、『250万円貸してくれー!』と頼んだんですよ。『そんなに何に使ったんだ!』って、めちゃくちゃ怒られましたね(笑)。もう平謝りでした」

「負けたくない」気持ちをくすぐられる

 そんな千葉さんの買い物事情を詳しく聞いていこう。

 千葉さんは、オンラインで買い物をすることがほとんどで、そのうちメルカリを経由した買い物はかなりの割合を占めているのだそう。

 先日、いつものようにメルカリでジュエリーを漁っていた時に、イタリアのクアラントットというブランドのネックレスに一目惚れ。出品者のコメントには「来月から値上がり予定です」とあったため、ブランド公式のホームページを見にいくと、確かに2~3万円も値上がりしてしまうらしい。

「それで火がついちゃって。6万円のネックレスが欲しかったのに、ピアスとネックレスチャームも追加して、結局クアラントットで40万円分くらいの買い物をしちゃいました」

 別に前からクアラントットが好きだったというわけではない。メルカリの商品検索で「価格の高い順」で検索をして知ったブランドだ。この、「高い順」の検索がまた罪深い。

「元値が1000円のものだと、メルカリでも600円以下にはならないんですよ。でも、元値が100万円のものは50万円とかで売られているんです。それって、50万円儲けたような感覚になりません? 脳汁がブシャーって出ちゃって(笑)。例えばネックレスだとしたら、『価格の高い順』で検索して商品を見ると、“ネックレス界で一番最強”のネックレスを見ているような気になるんです」

 これまでも、イヤーカフを買おうと思ってうっかり「高い順」で検索した結果、TASAKIのイヤーカフを30万円で買った。もちろん、“イヤーカフ界最強”のイヤーカフだった。

 さらに、メルカリの「いいね」や「コメント」のシステムも、千葉さんの買い物欲を掻き立てる要因の一つだそう。

 アルアバイルというブランドのスカートを見つけたときのこと。気軽な気持ちで「夏でもはけますか?」とコメントを残し、「いいね!」のボタンも一度押してはみたが、その時は珍しく購入を迷い、結局「いいね!」は外した。

 そして、およそ1年が過ぎ、そのスカートのこともすっかり忘れていたのだが。

「一度コメントした商品に、別の人がコメントをすると、その度に通知が来るシステムになってるんですよ。他の購入希望者から『サイズを教えてくれ』というコメントがついて、私にも通知がきたんです。しかもその人、『購入を前向きに考えています』とも。私が前に欲しいと思っていたスカートが売れてしまうかもしれない。もうなくなってしまうかもしれない。ライバルがいると、どうしても買いたくなっちゃいますよね」

 千葉さんはその場でアルアバイルのスカートを“即決”購入したという。

「コメントのやりとりが丁寧な出品者には恋をしちゃいますね。値下げ交渉をするときも『無理です』と即断るのではなく、『出品したばかりで少し様子をみたいのですが、500円ぐらいなら割り引けます、ごめんなさい』なんて言われると、そのコメントが嬉しくて、ついつい買っちゃうんです」

 千葉さんの場合、メルカリで買い集めたジュエリーを再びメルカリに出品することもある。しかし、それはあくまで「欲しいものを手に入れるための原資」に過ぎない。現金化させても、そのお金はすぐにまた別のジュエリーや服に変わっていく。まるで抜け出せないメビウスの輪— —ならぬ、メルカリの輪だ。

「メルカリで買い物をする度に『この金額を私は払っていけるんだろうか』って思って、毎回頭痛がして気持ち悪くなっちゃうんです。でも、他の購入希望者には負けたくない。負けず嫌いですね。彼氏には、そんなにお金使えるのは才能だねっていわれます」

「メルカリ破産」をしても、まだまだ物欲が尽きることは、ない。

そうとめなほ(ライター)

フリーライター。

そうとめなほ

最終更新:2021/06/06 14:00
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