『家、ついて行ってイイですか?』第1子を亡くした若夫婦の実感「手が掛かるって幸せだよね」
#家、ついて行ってイイですか?
「夫の寝息を聞くだけで幸せを感じる」老夫婦が噛み締める日常の幸せ
横浜市鶴見区の商店街で番組が声を掛けたのは、金婚式を迎えたという高齢のご夫婦。どうやら、2人でお散歩中のようだ。見るからに仲良しのお2人の家に番組はついて行くことにした。
ご自宅は立派な一軒家。広い玄関から、古くに建てられた家だとわかった。元々はご主人のご実家で、築は82年。庭に行くと、立派なビワの木が育っていた。
「これ、我々が結婚したときに植えたらこんなに大きくなった。だから、50年。我々が結婚して50年だから」(ご主人)
父が建てた家に住み、ビワの木は結婚したときに2人で植えた。夫婦の歩みと共に育ったビワの木である。
寝室に行くと、大きなベッドが1つだけあった。このベッドに仲良く2人で寝ているそうだ。
「温かいです。(夫は)湯たんぽ代わり。夜なんか、寝息を聞いてるだけで幸せを感じる」(奥さん)
奥さんは料理が大好き。夜の12時くらいまで惣菜を作り、台所に籠ることもしばしばだ。
奥さん 「夫に『美味しい』って言われると、嬉しくなってどんどん作っちゃう」
ご主人 「スーパーの惣菜なんて買ったことないんじゃないかなあ」
2人の出会いは大学時代。男性5人、女性4人で箱根へキャンプに行ったときに知り合った。ご主人は60年近くずっと持ち歩いているという奥さんの写真を財布から取り出して見せてくれた。
ご主人 「もう一目惚れです、完全に。この写真に惚れたんだよ。可愛いでしょ? これ、いつも財布に入れてんの。おまじないみたいに持ってた」
奥さん 「(私は夫の写真は)持ってない。頭に入ってるから(笑)」
ご主人 「凄いこと言うね(笑)」
奥さん 「(ご主人の第一印象は)その他大勢くらい(笑)」
照れることなく「一目惚れです」と言い切るご主人がカッコいい。もちろん、交際はご主人の猛プッシュから始まった。手始めは手紙のやり取りから。
奥さん 「週1回くらい(夫から)来ちゃってるから『じゃあ、書かなきゃ』っていう感じで」
ご主人 「7年間ずーっと文通で(笑)。手紙ばっかりで、途中から電話になって」
昨年、ご主人は狭窄症とヘルニアで入院した。奥さんが家で長期間1人になるのは初めてのことだった。
「本当にね、つまんない感じ。『1人ってこういうことなんだあ』って思って。お料理を作るのも大好きな私が、作るのに『つまんないなあ』と思ったね。とても味気ない食事。夜1人ってなって温もりがなかったわけ。やっぱり1人って寂しいなあって思って」(奥さん)
2人の距離を埋めたのはLINEだった。絵文字を多用し、何かあれば長文のメッセージを送るご主人に対し、奥さんの反応は「よかったね」とそっけないものばかり。文通から始まった2人の交際は、LINEを駆使した夫婦生活として今につながっている。マメなご主人だからラブラブな関係が続いているのだろう。というか、年を重ねるごとに2人の顔は似てきている気がする。
日常にある幸せをちゃんと噛み締めているこの夫婦。“当たり前の幸せ”は、決して当たり前ではない。だから、「寝息を聞いてるだけで幸せを感じる」という言葉が出てきた。年を重ねてもこんなに仲が良かったら、毎日は楽しいはずだ。
「そんなに難しい話しなくてもいいから、一緒にいて『これ美味しいね』『今日暖かいね』『寒いね』だけでもいいのよね。1番居心地がいいというか。やっぱり、2人っていいなっていう」(奥さん)
理想の夫婦像を完全に見た。あと、「女性はやはり、愛されたほうが幸せになるのか?」という思いもよぎった。
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