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『家、ついて行ってイイですか?』第1子を亡くした若夫婦の実感「手が掛かるって幸せだよね」

『家、ついて行ってイイですか?』第1子を亡くした若夫婦の実感「手が掛かるって幸せだよね」の画像1
『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)

 5月26日放送の『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)に登場したのは2組のご夫婦。日常にある“当たり前の幸せ”の尊さを教えてくれた。

若夫婦が娘に駄菓子を爆買いした理由

 上野の菓子店で番組が声を掛けたのは、1歳の娘さんを連れた若いご夫婦。ご主人が24歳で奥さんが23歳、見るからに幸せそうな3人家族だ。

「(娘が)駄菓子が好きなんでよく買いに来てます」(ご主人)

「お菓子代をお支払いするので、家について行ってイイですか?」と切り出すと、ご家族は訪問をOKしてくれた。それにしても、1歳になったばかりだという娘さんは髪がふさふさで、すくすく育っている。その年齢で駄菓子が好きというのも珍しいと思う。

 というわけで、3人の住む家へ行くことに。ちなみに、菓子店で使った買い物代は7,954円。たくさん買った! 娘さんのため、お菓子は月1で大量買いしているそうだ。冷蔵庫を見せてもらうと、冷凍室は離乳食ばかり。当然と言えば当然だが、この家族は娘さん第一の生活を送っているようだ。その甲斐あってか、彼女は2歳近くの子が食べる量をぺろっとたいらげるという。ご主人は娘さんが生まれたばかりのときの写真を誇らしげに見せてくれた。これがまた、見るからに超健康体なのだ。

「同じ日に同じ病院で5人くらい生まれたんですけど、1番体重もありましたね。3410グラム」(ご主人)

 一方、パパとママは29円の餃子パックで食事を済ませている。

「大人は米さえあれば何とかなる」(ご主人)

 ちなみに、ご夫婦の出会いはTwitter。2人に共通の知人がいて、奥さんのアカウントを発見したご主人が「可愛いな」と思い、突然DMを送ったというのだ。そうして交際はスタートし、2017年に2人は結婚する。プロポーズはなかった。奥さんが妊娠したのだ。今、ご夫婦が育てる娘さんは次女である。部屋の片隅を見ると、骨壺と遺影があった。

「長女がそこに。ゆのって名前なんですけど。2018年の4月8日に生まれて5月8日に天国へ行っちゃったんで。(生まれて)ちょうど1カ月って感じで」(ご主人)

 病院で生まれたゆのちゃんには何の異常も見られず1度は退院したものの、2週間検診で心臓に穴が2つ空いていることがわかった。さらに、大動脈が細くなって全身に血液が行かない大動脈縮窄症であることも判明。すぐに手術は行われ、心臓は自力で微かに動く状態に。ひとまず心臓を休ませ、機械(人工心肺)で動かすことにした。ただ、この人工心肺装置もそこまで期間はもたない。取り替えるとなるとその間に脳に血液が回らず、脳に障害が残る可能性がある。若き父と母は担当医から二者択一を迫られた。

「リスクを賭けて人工心肺装置を新しいものに替え命を繋げるか、1回外して自分の心臓の力に賭けてみるか」

 2人は考え続け、決断を下した。

ご主人 「チューブに繋がれて手術を十何時間乗り切ったので、もうこれ以上辛い思いをさせたくないみたいな感じで」
奥さん 「『最後は楽にさせてあげたいな』って思いのほうが強かったですね……」
ご主人 「『じゃあ、(人工心肺を)外してください』って。(人工心肺の)強さをどんどん下げていって、下げていくと同時に血の気も引いていっちゃって。最後は抱っこしながら天国へ旅立ったっていう感じで」
奥さん 「辛かったです。1カ月で天国へ行っちゃう。ベビーベッドとか家にあるベビー用品を見るとダメになっちゃいそうで、家に帰るのも辛かったです、匂いとか残ってるんで、家に。赤ちゃんの匂いというか。本当にいなくなっちゃったんだなと思って……」

 2人はまだ24歳と23歳だ。心の整理がつけられるとは思えない。ゆのちゃんの納骨はまだしていなかった。

ご主人 「自分か嫁、どちらかが死んじゃったときに一緒にお墓に入れようかなって。1人じゃ可哀想じゃないですか」
奥さん 「そばにいたいかなと思って」

 次女が生まれたときは「また同じことが起こるんじゃないか」と、嬉しさより不安が先行したという。まずは2週間、1カ月、何事もなく生きてくれることを2人は目標にした。

奥さん 「何かあったら病院に行ってました、すぐに」
ご主人 「手が掛かるって……」
奥さん 「幸せだよね」

 無事に生まれ、無事に育つ。当たり前のようで、決して当たり前ではない。五体満足がどれだけ尊いか。「手が掛かるって幸せだよね」の言葉には、実感がこもっていた。苦しみを乗り越えたからこそわかる幸せ。手が掛かるのは、我が子が生きている存在証明である。

 冒頭、ご夫婦が娘さんのためにお菓子を爆買いした理由がわかった。そんなの、誰だって我が子を甘やかせたくなるだろう。

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