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日テレ『24時間テレビ』批判殺到でも… 止められないもうひとつの深刻な理由

日テレ『24時間テレビ』批判殺到でも… 止められないもうひとつの深刻な理由の画像1
日本テレビ『24時間テレビ』公式サイトより

 今年もジャニーズ事務所所属のタレント・King&Princeがメインパーソナリティーの『24時間テレビ44』(日本テレビ系)が8月21日から22日まで放送されることが内定しているが、新型コロナウイルスの感染状況が大きく改善されない中の強行実施に関係者から心配の声も多い。

 2020年も、真夏のコロナ禍であったにも関わらず番組は大幅に演出を変更して放送した。

「出演者を減らし、高齢のチャリティーマラソンはいつもの公道ではなく私有地内を回る形で行われ賛否ありました。これまでは前編生放送も売りでしたが、大部分がVTRによる事前収録。スタッフの感染対策にもかなり気を遣ったといいます」(日テレ関係者)

 あれから1年が経ったが、同時期に行われる東京五輪・パラリンピックは未だに反対世論が大きい。夏の長時間特番も実際、放送されることになれば各方面から批判が殺到する可能性もあるが、別の同局関係者は「止めたくてももう無理なんです」と下を向いてしまう。なぜなのか?

「今年もイオン、日産自動車など社会貢献事業としてイメージがいい『24時間テレビ』だからこそ、巨額のCM出稿をしている企業が多く、日テレもそれありきで営業予算を組んでいます。そのため、中止となれば返金する必要が出てくるのですが、放送まで2カ月半の段階で大部分のVTR制作が始まっており、今から引き返すことはできません。また、長年ハンディキャップを背負う人たちにスポットを当てた番組だけに、今年はパラリンピック選手にも極秘で密着取材を続けています。番組はちょうどパラ五輪が始まる時期と重なっており、絶妙な放送タイミング。番組が飛べばたちまちお蔵入りになってしまい、制作費もペイできません」(同)

 日テレの都合ばかりではない。毎年、番組では巨額の寄付を募りさまざまな施設や難病に苦しむ人たちを支援していることでも知られる。

「現在、昨年から国や行政はコロナ対策に多くのお金を投じたこともあって、福祉までお金が回ってきていません。そこへ『24時間テレビ』の中止が決まれば、集まってくる寄付金の額も大幅に下がることは間違いない。局側も黙殺していますが、本当に困っている人のためにも番組を止められない事情を抱えています」(同)

 この夏には、五輪や24時間テレビだけでなく、昨年は休止していたさまざまなイベントが復活する予定だ。コロナ禍の大型特番は今年も無事、終えることはできるのだろうか。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2021/12/03 00:55
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