『関ジャム』寺岡呼人のレコード愛は変態の域! アナログレコードの“違い”をテレビで聴く
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テルミンによる演奏が音痴に聴こえた
2020年2月放送「実はスゴイ楽器」特集で取り上げられたのはテルミンだった。箱から縦と横に1本ずつ計2本のアンテナが出て、そこから発せられる電波に手を近付けたり遠ざけたりして演奏する楽器である。
テルミンが使用されたとする楽曲として、ビーチボーイズ「Good Vibrations」やサザンオールスターズ「エロティカセブン」等を挙げることができる。BUCK-TICKの今井寿やコーネリアスの小山田圭吾、ジミー・ペイジがパフォーマンスしたことでも知られており、今ではかなり有名な楽器だ。
しかし、その実情は知らないことだらけ。古田新太は「(テルミンで)演奏なんかできへんもんやと思ってた!」と発言したが、同じように認識していた人は多いはずだ。筆者も、テルミンでできるのは効果音の付け足し程度だと思っていた。いや、テルミンでもちゃんと曲は演奏できるらしい。この回では、プロのテルミン奏者が「オーバー・ザ・レインボー」を演奏してくれている。横のアンテナでボリュームを調節し、縦のアンテナで音階を調節するという演奏方法である。どれだけ手を近付けるかは奏者の感覚次第だ。
正直言って、テルミンによる演奏は気持ち悪かった。微妙にピッチを外しているし、音程は終始フラフラ。音痴のカラオケを聴いている感覚になるのだ。出ている音も奇妙。「お~ま~え~はアホか」の決め台詞で有名な横山ホットブラザーズのノコギリ演奏みたいな音色なのだ。
恐らく、仕方ないのだろう。楽器の特性からして、きっちりピッチ調整することは困難だ。感覚による演奏だから狙った音階を1発で当てるのも難しい。それでいて、絶対音感は奏者に不可欠なはず。プロでも不安定なピッチになるのだから、その難易度は間違いなく高い。厄介な楽器である。
この回では、摩訶不思議なセッションも行われた。ハーモニカとオーボエとテルミンとパーカッションの奏者がピーナッツの「恋のバカンス」を演奏したのだ。結果、最も印象に残ったのはテルミンだった。皆が楽器を手にする中、テルミン奏者だけは手をゆらゆら動かしているだけなのだから。まるで、指から電波を放つ魔術師みたいに見えた。視覚的に引きがある。
色んな意味で、テルミンは魅力的。いつか、1度でいいから習ってみたい楽器だ……いや、とても1度じゃ攻略できなそうだが。
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