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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『コントが始まる』“低視聴率でも大盛り上がり”

『コントが始まる』“低視聴率でもSNS大盛り上がり”の納得の理由

『コントが始まる』公式サイトより

 日本テレビ系列で現在放送されている、菅田将暉主演のドラマ『コントが始まる』。放送開始以降、視聴率は下降の一途を辿っているが、SNSは盛り上がりを増すばかり。テレビ離れが進み、視聴率が作品の魅力と比例しない時代になったとはいえ、ここまで世間一般的な評価=視聴率とSNS上の評価に差が出るドラマも珍しいのではないだろうか。

 いったいなぜ、この不思議な現象が起きているのだろう。5月19日に『FRIDAY DIGITAL』で配信された記事で、NHK出身のメディアアナリスト・鈴木祐司氏はこう語っている。「日テレの狙いは、世帯ではなく若年層の個人視聴率にあり、世帯視聴率の低迷は必ずしも気にしていない」。

 日テレは今期、『コントが始まる』だけでなく、石原さとみ主演の『恋はDeepに』、櫻井翔と広瀬すずのW主演作品『ネメシス』も苦戦している印象だ。しかし鈴木氏がビデオリサーチのデータから分析した結果によると、日テレドラマは、世帯視聴率は低いものの、男性13~34歳・女性13~49歳の個人視聴率ではトップに躍り出ていることが明らかになった。

 つまり、いくら低視聴率と騒がれようとも、ターゲットである若年層の視聴率は着実に獲得しているということだ。若年層からの支持を得られれば、若者向けの商品を販売している企業がスポンサーにつく。スポンサーがつけば、日テレの広告収入は維持される。鈴木氏に言わせれば、もはや日テレの“狙い通り”なのかもしれない。

 日テレがそもそも世帯視聴率を気にしておらず、若年層の個人視聴率を狙っていたのなら、この視聴率とSNSの評判が乖離する現象にも頷ける。『恋はDeepに』は“恋はチープに”と揶揄されてしまうほど「薄っぺらい」との評判を聞くが、本格的に若者をターゲットにしていると知ると、その単純明快すぎるストーリーすらも戦略であるように感じてしまう。

『コントが始まる』の件についても納得できる。先週放送された第6話はついに世帯平均視聴率6.5%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)まで下がってしまったが、物語は過去一と言ってもいいほどの盛り上がりを見せており、それに比例してTwitterも大いに沸いた。ここ数年、視聴者がドラマの1シーンを切り取ってイラストを描くことが流行っているが、『コントが始まる』のイラストは、今期のドラマの中でもトップレベルで多く描かれているのではないだろうか。

 日テレの狙い通り、順調に若年層ファンの熱を高めていく『コントが始まる』。今日5月29日に放送される第7話では、物語とともにSNSの盛り上がりにも注目して視聴したい。

■番組情報
土曜ドラマ『コントが始まる』
日本テレビ系毎週土曜22時~
出演:菅田将暉、有村架純、神木隆之介、仲野太賀、古川琴音、鈴木浩介、伊武雅刀、松田ゆう姫、明日海りお、小野莉奈、米倉れいあ(821)ほか
主題歌:あいみょん「愛を知るまでは」(unBORDE / Warner Music Japan)
音楽:松本晃彦
脚本:金子茂樹
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:福井雄太、松山雅則(トータルメディアコミュニケーション)
演出:猪股隆一、金井紘(storyboard)
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/conpaji/

早乙女りこ(ライター)

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

さおとめりこ

最終更新:2021/05/29 17:00
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