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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 物語が進むごとに歌詞の意味が判明する快楽
【短期集中連載】音楽ライターが検証する『大豆田とわ子と三人の元夫』のED評

「大豆田」ED曲、BIM再登場で判明した「Veranda」とドラマの関係性ー物語が進むごとに歌詞の意味が判明

いまだリリックだけでは読み解け無いドラマの展開

 後日、とわ子の会社へ先日の男がスーツ姿で現れる。

 男は買収を持ちかけてきた会社の法務部部長・小鳥遊であった。しろくまハウジングの顧問弁護士である慎森も同席して対応し、小鳥遊から今までのとわ子の仕事の様子をハラスメントとして申し立て、社長解任を淡々と迫る。会社を思い、ハラスメントどころか逆に翻弄されていたはずのとわ子が窮地に立たされるとは、まさに「Good Loser」である。

 終盤の「他には見つけられっこない/だけど目と目が合わない」とは3人の元夫からみたとわ子であることは明白だが、この曲にはいまだ疑問も多く残っている。

 例えば、岡田による「この先もどうせ進まない要件」や「大丈夫さ/もう夢は覚ました」に応じる部分は、少なくとも筆者には思い当たらない。

 特にフロウがメロディアスになるハイライト「さんざん待った滑走路/飛んでく空/向かうcastle」の部分は、BIM自身もその部分をツイートしているところから、何かしらの意味が込められている可能性は感じる。しかし、波乱ばかりの劇中で、こんな開放感を思わせるシーンは皆無だ。松の歌うフックが前半と差し替えられている点からも、おそらくストーリーのクライマックスはまだ先になりそうだ。

 もちろんエンディング曲のすべてが緻密にストーリーを暗示しているとは思わないが、第1話のラジオ体操のフラグすら回収してくるストーリーゆえ、どこにヒントが隠されているかもわからない。

 このまま順当に行けば次週のEDはNENEとなりそうだが、今回のビデオにはin-dとVaVaが登場していたところから、次週はRyugo Ishidaが登場するかもしれない……が、最終話までにもうひとりくらいのサプライズに期待もしたい。

 願わくば「夜を使いはたして」でSTUTSと名曲を残したPUNPEE。もしくは「つまり街は君含め孤独だから」という岡田のリリックを、「孤独も良しと知る」男、JJJが拾っても趣深いと筆者は妄想するのであった……。

斎井直史(ライター)

音楽ライター。主な執筆の場はOTOTOYでの『パンチライン・オブ・ザ・マンス』の連載。その傍ら年に数回、他媒体での寄稿を行う。

Twitter:@nofm311

さいいなおふみ

最終更新:2021/05/30 19:00
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