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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 田村正和さん、裏側でも超二枚目だった…!

田村正和さん、プライベートでも超二枚目だった…記者との懇親会で魅せた美学

田村正和さん、プライベートでも超二枚目だった…! 記者との懇親会で食事に手を付けない美学の画像1
『地方紙を買う女』テレ朝動画 公式サイトより

 田村正和さんが4月3日に心不全のため亡くなっていたことが、5月18日に報じられました。77歳でした。

 田村さんと聞いて思い出すのは、僕がまだ駆け出しの記者だった頃のこと。古き良き時代と言いましょうか、新しいテレビドラマがスタートするというので、テレビ局がドラマ出演者とマスコミの懇親会をセッティングしたんです。しゃぶしゃぶ店で、大原麗子さん、藤竜也さん、浅野温子さんに囲まれ、隣には田村さん。豪華な俳優陣との食事に若造だった僕は、緊張しつつも舞い上がっていました。

 田村さんは前に仕事が入っていたということで少し遅れて現れました。いつものカッコいい声で「すみません」と席につき、大原さんが料理を取り分けて「どうぞ」と置くと、「ありがとう」と一言。口数は少なく、料理にはまったく手をつけず、注がれたビールにちょっと口をつけるくらい。ドラマで見るままの二枚目の田村さんでした。

 しばらくして周りが歓談しているときに、田村さんは「ちょっと失礼」と立ち上がってどこかへ。そのあとすぐ僕もトイレに向かおうと部屋を出たところ、目立たないカウンターの隅に座っている田村さんの姿を見かけました。何をしているのだろうと思ったら……なんと田村さんは急ぎ気味にしゃぶしゃぶを食べていたんです。別で注文しておいたんでしょうね。

 程なくゆったりと食事会の席に戻ってきた田村さんは、何事もなかったようにまた静かに微笑んでいました。

 まだコメディドラマに出る前の田村さんです。ああ、超二枚目の俳優は知らない人の前では、大口を開けて食べたり飲んだりしているところなんて見せないのだと感心しました。外に出たらずっと「二枚目の田村正和」を演じている。「役者ってたいへんだな」と思いましたね。今でもあの時の田村さんが思い出されます。

 2018年には写真誌で「引退」が報じられました。一部の人に漏らしたという引退の意向を写真誌記者が確認したところ、田村さん本人が認めたのです。その後、女性週刊誌の取材を受けた時には、質問したことには隠すことなく答え、心臓手術をしたことを明かし「もう、やり切ったから『静かに死にたい』っていう感じかな」と語っていました。

 世間の前ではダンディな姿のまま、本当に静かに去っていった田村さん。謹んで哀悼の意を表します。

城下尊之(芸能リポーター)

立教大学在学時から、サンケイ新聞でアルバイトを行っていた経緯から、卒業後、サンケイスポーツへ入社。スポーツ紙文化部記者となった初日で見習い経験もないうちに、他に大きな事件があったため、「(故)林家三平さん、大病から復帰!」という大事な現場を任された。退社後は、TBS『奥様8時半です』のデスク担当として勤務し、その後、芸能リポーターに転身し、現在に至る。独自に身につけてきた取材能力、ブレーンの作り方等から、芸能界の裏話を交えた、楽しい味付けで話す。

【プロフィールページ】

しろしたたかゆき

最終更新:2021/05/22 21:00
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