厚生労働省発表が“内定取り消し”調査を発表、新型コロナの深刻な影響がうきぼりに…今年度はさらに深刻化?
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更に深刻なのは今年の卒業生…
厚生労働省と文部科学省が実施した大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の計112校、6250人の2021年3月卒業者の4月1日時点の就職率では、軒並み前年を下回っている。
大学生の就職率は、96.0%で前年の98.0%を2ポイント悪化。男子大学生は95.0%と前年の97.5%から2.5ポイントの悪化、女子大学生は97.2%と前年の98.5%から1.3ポイント悪化した。就職率の悪化は、女子大学生に比べ、男子大学生に色濃く出ている。
08年に発生したリーマンショック後も、就職率は大きく悪化した。大学生全体の就職率は09年3月卒95.7%、2010年3月卒91.8%と推移し、11年3月卒の91.0%で底打ちした。男子大学生は11年3月卒の91.1%、女子大学生は11年3月卒の90.9%で底打ちした。(表2)
21年3月卒で、より大きな影響を受けたのは、専修学校生で91.2%と前年の96.8%から5.6ポイントも悪化した。また、短大女子は96.3%と前年の97.0%から0.7ポイントの悪化となった。
短大女子の場合には、09年3月卒94.5%、10年3月卒88.4%と推移し、11年3月卒の84.1%と専修学校も09年3月卒91.8%、10年3月卒87.4%と推移し、11年3月卒の86.2%と大幅に悪化して底打ちした。(表3)
就職率がリーマンショック前の08年3月卒まで回復するのには、大学生全体で8年、男子大学生で9年、女子大学生で8年、短大女子、専修学校とも5年かかっている。
このように、21年卒の就職率が悪化している点を考慮すれば、内定取り消しも大きく増加する可能性がある。また、就職率、内定取り消しとも、影響は複数年に及んでいることを考えれば、今後数年は新型コロナによる影響が残る可能性がある。
新型コロナ禍による就職率の悪化が、新たな非正規雇用者の増加につながることのないように、政府は十分な対策を進めるべきだ。
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