東京五輪「PCR検査を毎日実施」で予測される報道陣離れ… 複雑な除菌にスタッフ数も制限、取材辞退者も?
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政府の丸川珠代五輪担当大臣が18日、東京五輪・パラリンピックを取材する報道陣に対して、新型コロナウイルスのPCR検査を「毎日実施する」と発言。関係者からは「混乱するのが目に見えている」と呆れている。
大会期間中、選手団へのPCR検査は連日行われることがわかっている。競技会場、指定された練習場、宿舎以外の外出は禁止で違反した場合は強制退去させると先日、菅首相が明らかにしたばかりだが、対象者を広げる構えとなった。
丸川大臣は選手と1メートル以内、15分以上接する関係者は「毎日検査を受けていただく」と語り、対象者は日本国内で公共交通期間を利用して移動するボランティアなども含まれる模様。外部との接触を遮断する「バブル」に入る、入らないかで分けることを想定しているようだ。
だが、これまで夏季、冬季の複数の五輪で取材経験がある民放テレビ局スポーツプロデューサーは「間違いなく混乱する。取材体制見直しも考えないといけない」と困っている。
「基本的な我々の流れとして、五輪取材は競技終了後、報道関係者が陣取る前を選手や指導者が必ず歩く『ミックスゾーン』と呼ばれる場所で取材を行います。最初に生中継のインタビューがあり、その後国内外の放映権利を持つテレビ局のカメラの前で順次、インタビューを行い、余った数分でノンライツ(権利)を持たない新聞、雑誌メディアが合同で選手を囲み取材をします。東京2020はID(取材パス)の数が絞られており、中に入れる人数も限られています。通常取材自体、困難を極める中で密集にならないよう、取材場所の制限がかかることも今後予想されます。
さらにPCR検査となればスタッフの負担もかなり大きくなる。仮に同じ競技取材に参加していたメディア関係者から陽性判定が下った場合、周囲の人間はほぼ、濃厚接触者扱いになる可能性がある。リスクが高すぎるので辞退するスタッフも想定されますね」(同)
ここで困難なのが代替スタッフの確保だろう。
「プロ野球の例を考えても、複数の選手が突然、陽性判定を受けてすぐさま離脱するのはすでに報じられている通り。五輪期間中、メディアの人も陽性判定されたら代わりのスタッフを送り込まないといけないが、スタッフが全然足りない。まして、ID必須エリアに入るとなれば代替は効かないのではないか」(同)
感染力の強いインド株が各地で確認される一方で、無症状者が多い状況も変わっていない。あらゆるリスクを抱えてでも五輪強行開催が正しいのか。発信するメディアはそろそろ自分たちの態度を明確にした方がよさそうだ。
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