『リコカツ』が描く急増する熟年離婚のリアル…宮崎美子“離婚経験者”ならではの迫真の演技
#北川景子 #永山瑛太 #リコカツ
夫婦が長い年月をかけて積み上げていくものはなんだろうか? 信頼関係だったり、旅行や子どもの成長といった楽しい思い出も含めた共有の財産だったり、そういったものを積み上げて夫婦は夫婦になっていく。ではもしも、そうではなくて積み上げてきたものが不満や反発、不信感ばかりだとしたら…?
北川景子が主演する『リコカツ』(TBS系)で、女優の宮崎美子が息子の結婚を機に長年連れ添った夫に離婚を申し出る妻の役を好演し、幅広い世代の視聴者の心を捉えていた。
『リコカツ』は出版社に勤める緒原咲(北川)と自衛官の紘一(永山瑛太)が新婚早々、離婚問題に直面する、社会派ホームコメディでありながら恋愛ドラマでもある物語。宮崎は紘一の母・緒原薫として出演、元自衛官で“妻は夫に従うべし”という頑固な考えを持つ夫・正(酒向芳)に、長年連れ添い支えてきた慎ましく貞淑な妻だ。夫が決めるルールに従い、料理も夫の好みに合わせ、家庭を守ってきた。
第5話のラストで<自分の何が悪かったんだ>と正が薫に問うシーン。薫は<悪い思い出ばかりじゃなかったですよ。紘一が生まれたときは本当に嬉しかった。><紘一が初めて歩いたとき、小学校の入学式、卒業式。>と穏やかな表情で昨日のことのようだと子育てを振り返り答えた。そして、<でも、どの思い出にも、あなたはいませんよね?>と冷たく言い放つ。先ほどまでの穏やかな表情とは打って変わり、恨みつらみを込めたかのようなキツイ目つきと暗い表情への変化が思わずゾクッとするほど印象的だった。正は返す言葉もなく、黙って突きつけられた離婚届にサインをしていた。
「宮崎美子さんの演技でボロ泣き」「台詞がめちゃくちゃ突き刺さった」
薫が結婚生活で積み上げてきてしまったものを、切なく少し怖いくらいの迫力で表現した宮崎。投げかけたこの台詞に視聴者からは「涙腺崩壊」「宮崎美子さんの演技でボロ泣き」「宮崎美子さんの言葉、しみたなぁ」と深く共感する声が多く上がり、なかには「お母さんが言った台詞がめちゃくちゃ突き刺さった。うちのお母さんもしんどい想いしてるかもって」と親世代に重ねる人も。
これは多くの夫婦にとって決して他人事とは言えない問題なのだ。同居期間20年以上の夫婦の離婚、いわゆる熟年離婚は近年増加傾向にあるが、このコロナ禍でさらに加速、前倒しで離婚する夫婦も増えている。『リコカツ』と同様、妻の方から離婚を切り出すことが多く、その一番の理由は「長年の不満の蓄積から」だという。
夫婦にとって、家族にとって本当に大切なことは何か、ということを考えさせられる。おそらく正も家長として家族を守るためと真面目に仕事に精を出してきたことだろう。だがその大切なもの、に目を向けてこなかった。薫にとって一番大きかったことは、些細な日々の出来事、子育ての苦労や喜び、そういったことを共有し合えなかったことなのだろう。
宮崎自身もプライベートで離婚を経験していた
宮崎といえば2020年にデビュー40周年を記念し販売したカレンダーで、61歳とは思えぬ美しいビキニ姿を披露し大いに話題を呼んだことが記憶に新しい。実は宮崎自身も、離婚経験者。とはいっても熟年離婚ではなく、30歳の頃に結婚し、結婚期間はわずか1年4カ月とスピード離婚なのだが、結婚と離婚に対する宮崎なりの想いもあるに違いない。離婚後も元夫とは良好な関係を築いているのだという。結婚・離婚を経験し20年以上の時を経て、今も多方面で精力的に活躍する宮崎。今回もその熱演ぶりに賞賛の声が集まるとともに「残りの人生、好きなように生きて」と宮崎が演じる薫を応援する声も多い。
5月21日には第6話が放送される。前話ラストではついに咲と紘一、薫と正、さらに咲の両親も加えた3組全員が離婚届に判を押してしまった。3組の夫婦はこのまま離婚へと突き進んでしまうのだろうか。その完成されてしまった離婚届の行方が気になるところだが、それぞれがリコカツを通じて、“2人にとって本当に大切なもの”を見つめ直し、幸せな生き方を見つけられることを願いたい。
■番組情報
金曜ドラマ『リコカツ』
TBS系・毎週金曜午後10時~
出演:北川景子、永山瑛太、高橋光臣、白洲 迅、宮崎美子、酒向 芳、三石琴乃、平田満 ほか
脚本:泉澤陽子
演出:坪井敏雄、鈴木早苗、韓 哲、小牧 桜
プロデューサー:植田博樹、吉藤芽衣
音楽:米津玄師
製作:TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/rikokatsu_tbs/
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事