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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 奥山和由が語る「女優たち」
映画『女たち』公開記念インタビュー

あの話題作のヒロインらはこうして口説かれた 映画プロデューサー奥山和由が語る「女優たち」

人気女優たちが話題作でヌードに挑んだ理由

――インタビュー後半は、奥山プロデューサーの代表作を振り返ってもらおうと思います。実際に日本で起きた大量殺人事件「津山三十人殺し」を題材にしたR18映画『丑三つの村』は、奥山プロデューサーが松竹の若手時代に企画・制作した問題作。事件を起こす主人公・継丸(古尾谷雅人)を取り巻く女優陣が、田中美佐子、五月みどり、池波志乃、大場久美子と華やかでした。危ない映画への出演をどのようにして承諾させたのでしょうか?

奥山 僕が若かったから、作ることができた映画です。テーマは暴力、セックス、そして組織破壊でした。松竹という伝統のある映画会社でプロデューサーになったものの、いくら企画を提案しても、企画会議という名の合議制の中でうやむやに流されてしまっていたんです。だから、僕は合議制が大嫌い(笑)。

 『丑三つの村』の企画が成立するかどうかは、五月みどりさんが出演してくれるか次第でした。当時の五月さんは妖艶さで大人気でした。小川軒の一階にあるカフェに五月さんに来てもらい、映画についての想いをただただ一方的に語り続けました。すると五月さんは、笑いながら「あなたも一生懸命すぎて大変ねぇ。もう、それ以上しゃべらなくてもいいわ。私、出演するから」とOKしてくれたんです。もちろん、シナリオは事前に渡しており、内容も役も理解した上で、出演に応じてくれたんです。田中美佐子さんは初々しい新人女優で、大場久美子さんはアイドルからの転身を図っていた。池波志乃さんは熟女女優としての魅力を存分に発揮してくれました。ひとりずつ、自分なりのオープンマインドで、シンプルに出演交渉してOKしてもらったんです。

――松竹を離れてからも、『真幸くあらば』(10年)ではブレイク中だった尾野真千子、『エリカ38』(19年)では浅田美代子が、それぞれ大胆演技に挑戦しています。所属事務所もよく納得しましたね。

奥山 「人間の生々しい美しさを見せるのが映画だ」と僕は思っています。なので、まずは僕が作ろうとしている映画の脚本を俳優に読んでもらい、作品と役を気に入ってもらうことが基本です。その方のコマーシャル状況とのバランスもありますが、ご本人が「どうしても演じたい」と言えば、事務所は基本的には反対することはしません。

 尾野真千子さんの当時のマネージャーさんもとても理解ある方でした。『真幸くあらば』を撮った御徒町凧監督は、実は主題歌を歌った森山直太朗の事務所の社長です。別の監督が撮ることが決まっていたんですが、死刑制度に反対する強い政治的な思想を持っていた監督で、処刑シーンは残酷に撮るというので、狙ってるテーマとは違うということで降りてもらったんです。この時の尾野真千子さんの迫真の演技を観て、NHKは朝ドラ『カーネーション』のヒロインに起用したんじゃないかな。

 ちなみに倉科さんは、『真幸くあらば』を観て、僕と仕事をしたいと思ってくれたそうです。コロナで具体的な打ち合わせはまだできていないんですが、『GONIN』の石井隆監督とはまた一緒に仕事をしたいので、その企画に倉科さんはどうかなと考えているところなんです。

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