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菅政権がおかしいーー五輪“強行”開催、ついに組織委警備最高責任者が爆弾証言

説明責任を果たさない安倍元首相と菅首相の目的は政治家人生の延命か?

 さてお待ちかねの今週の第1位は、文春の、五輪は中止と警備のトップがいったという記事。

 菅政権がおかしい。衆参予算委員会で「感染爆発しても五輪はやるのか」という野党の質問に、開催するかどうかには触れず、「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じるとともに、国民の命と健康を守っていく」と17回も繰り返した。

 そのほかにも、開催中にコロナに感染した選手と一般人が搬送された場合、どちらを優先するのかという質問にも、トンチンカンな答えをして質疑が中断してしまった。

 何が何でも五輪開催を押し通そうとするために、言質をとられないようにはぐらかしているのかとも思われるが、目が泳ぎ、心ここにあらずという表情を見ていると、精神的に追い詰められているように見える。

 おかしいのは首相だけではない。高橋洋一内閣官房参与がツイッターで、日本のコロナ感染状況など「さざ波」だと発信し、こんな状況で五輪を中止したら世界から笑われるという意味で末尾に「笑笑」と付けた。

 批判が殺到したのは当然である。

 今さらいうまでもないが、菅が五輪開催に固執するのは、閉会後に解散・総選挙をやり、現有議席の目減りを少なくして延命したいからである。だが、身内からも次々に「開催は無理だ」という本音が漏れてくる。

 文春によれば、五輪組織委の警備の最高責任者である米村敏明元警視総監(70)までが、親しい知人に、「こんな時期に五輪をやろうという政府は、どうかしている」と憤慨しながら語ったというのだ。米村は文春に対して、「止めるべきだ」とまではいっていないと前置きした上で、こう話している。

「国民は、外国からたくさん人がやってくれば、感染が拡大するのではないかと思っている。それに対してどうやってリスクを取るのか、説明が必要です」

 安倍前首相も菅首相も説明責任を果たせというのだ。至極真っ当な意見である。

 菅首相がすがるのはワクチン接種しかない。そのため、「7月末までに高齢者接種を完了させる」「1日百万回接種」などと、実現不可能なことをうわ言のようにいい出した。

 現時点で、全国1741市区村町のうち1000ぐらいの自治体しか、7月末までに高齢者接種を終える見通しが立っていないのに。

 準備不足もあるのだろう、神戸市では3カ所の集団接種会場に配送した際にミスがあり、常温のまま置いていた960回分の貴重なワクチンを廃棄せざるを得なくなってしまった。

 五輪を中止できないのは、日本側からいい出すと、莫大な違約金をIOCから要求されるという説がある。だが先週のポストによれば、

「東京都とIOCの開催都市計画には<本大会参加者の安全が理由の如何を問わず深刻に脅かされると信じるに足る合理的な根拠がある場合>はIOCの裁量で大会を中止できると定められている。小池氏が『開催都市の知事として選手の安全を保障できない』と中止を求めれば、IOCも受け入れざるを得ないはずだ」

 というのである。また、五輪に詳しい作家の本間龍もこういう。

「開催都市契約では保険加入が義務づけられており、IOCや組織委員会は中止などに備えて20億ドル~30億ドルの保険をかけていると見られる。その保険金でかなりカバーされるはずです」

 日本側が中止または再延期をいい出し、IOCが認めないなら、世界中のメディアから批判されるのはIOCのほうである。IOC側は、それを最も恐れているはずだ。(文中敬称略)

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