東京五輪中止ならバラエティ番組の“再放送祭り”に?テレビ局が頭を悩ます「Bプロ」問題
#東京五輪 #中止 #再放送
水泳・池江璃花子のSNSに「オリンピック出場を辞退していただけませんか?」とのリプライが送られた問題が取り沙汰されるなど、ここにきてより、東京五輪の中止を求める声が強まってきている。
5月13日に森田健作・前千葉県知事と昼食を共にした菅義偉総理は、「やるよ」と開催への決意を語っていたというが、テニスの錦織圭など開催に対しては“慎重派”の選手もおり、それでなくても新型コロナの影響などで依然として不透明な状況だ。
政府や組織委員会はできるだけ判断を後延ばししたいだろうが、気を揉んでいるのはテレビ局。
「仮に中止となれば、放送予定だった五輪関連番組が3週間分もなくなるのですから、その穴埋めの『Bプログラム』を莫大なお金をかけて用意しておく必要が出てくる。準備するには今がギリギリのタイミングなのですが、Bプロを作って五輪が開催されれば、それはそれで無駄金になってしまう。局内では連日、どうするかの激論が交わされています。ドラマや映画の再放送も著作権料の支払いなどバカにならない。直前まで引っ張られた末に中止となれば、夏のテレビは、バラエティ特番と再放送だらけになるでしょうね」(民放プロデューサー)
実際各局では、もし五輪が中止になった場合にすぐにレギュラー編成に戻せるかどうかなどを、両天秤にかけながら調整と制作を進めているような状態だという。
「2020年当初、新型コロナの影響もあって再放送祭りになりましたが、あれから時間もたっていますし、今回はスポンサーへの説明も付きづらいでしょう。開催の可否は6月半ばには決まるの予測されており、バラエティ番組に関してはそこから通常のレギュラー番組を制作しても間に合います。ただ、ドラマは間に合いませんので、バラエティ番組で乗り切るしか無いんです。レギュラー番組を拡大放送したり、昔やった特番をもう一回作るとか、そういう座組が増えてきそう。突貫で作る特番が増えて、事故も起きそうですね……。うちでもオリンピックがなくなったらという条件付きで通っている企画があって、今もペンディング状態なんですよ」(テレビ制作会社スタッフ)
一部によれば、アメリカでのオリンピック中継を制作するNBCの中継機材を積んだコンテナ船が、いまだアメリカに停泊中。日本へは1カ月はかかるので、6月初めに出港しないと間に合わないのだが……という話も。
かように混乱した状況にあるテレビ制作界隈。そんななかで唯一、涼しい顔なのがテレビ東京だという。
「五輪の競技で力が入っているのは卓球くらい。仮に中止となればNHK、民放合わせて300億円と言われる放映権料ですが、テレ東分は全民放の5%程度だと言われています。もともと枠が少ないですから、穴埋めも楽にできるでしょう」(前出・民放プロデューサー)
いずれにしても、テレビマンにとっては地獄の夏となりそうだ。
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