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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『ドラゴン桜』と出版社の“実在商法”

『ドラゴン桜』の大ヒットで出版界が金脈を掘り当てた“実在商法”

[入稿済]『ドラゴン桜』の大ヒットで出版界が金脈を掘り当てた実在商法の画像1
TBS『ドラゴン桜』公式サイトより

 2005年の前作に続き、大ヒットとなっているのが阿部寛主演の『ドラゴン桜』(TBS系)。3話までの平均視聴率は2桁台をキープ、今期ドラマの“勝ち組”筆頭に躍り出ている。

 同作は、倒産寸前の低偏差値高校にやってきた弁護士・桜木建二(阿部)が、超進学校に生まれ変わらせようと生徒を東大合格に導くべく奮闘する物語。受験生のみならず、ドラマを観て学習意欲に火がついた視聴者も多いようだ。

 そんな話題作の勢いを当て込んで、さまざまな“ドラゴン桜本”が出版されているが、中にはこんなギョーテン本まで……。

「5月1日に発売された『ドラゴン桜 超バカ読書 思考力↑表現力↑読解力↑の東大式99冊!』(徳間書店)には驚かされました。なんと著者が『桜木建二』になっているんです。内容は、原作漫画のストーリーに即して、『桜木』が99冊の書籍を紹介するブックガイド。渋沢栄一から村上春樹、『古今和歌集』から『スラムダンク』まで、ビジネス、人間関係、受験に効果てきめんの書籍を1冊10分で読めるよう要点だけが紹介されています」(出版関係者)

 さらに振り切っているのは、著者プロフィール。<弁護士、私立龍山高等学校理事、東大合格請負人。 弁護士活動のかたわら、落ちこぼれ学園の運営改革を手がけ、東大合格者を多数輩出~>と、漫画での桜木の経歴や功績がそのまま紹介されているのだ。

「マンガやドラマの写真が使われていますから、『公式本』であることは間違いない。それにしても、原作者の三田紀房先生やドラマの脚本を監修している現役東大生の西岡壱誠氏が著書を務める関連本も出ているなか、この本が架空の人物を“著者”と言い切っているのは異例です。同著は発売2週間のAmazonランキングでは『評論』1位、『読書法』9位と上々のセールスになっている模様。この“実在商法”がまかり通るのであれば、今後は“2次元著者”が続出する流れになるのでは」(前出・出版関係者)

 マンガやドラマを知らなかった人は、「桜木」の経歴を知り、「すごい男がいる!」と思わず手に取ってしまうかも!?

与良天悟(芸能ライター)

1984年、千葉県出身のウェブメディア編集者。某カルチャー系メディアで音楽や演劇を中心にインタビューなどを担当するほか、フリーで地元千葉県の企業の記事なども請け負っている。

よらてんご

最終更新:2021/05/17 14:02
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