山口組分裂問題の今後―いつ決着する? ヤクザ社会への影響は? あの噂の真相は?
#六代目山口組 #神戸山口組
六代目山口組と神戸山口組の対立はすでに雌雄を決しているといわれる中、山口組分裂問題は、この夏で6年が経とうとしている。ゴールデンウィークが明ければ、問題終焉に向けて大きく動き出すのではないか、夏までには決着がつけられるのではないかなどと業界内ではさまざまな憶測が錯綜している。仮に終焉を迎えるならば、それはいつで、どのような形となっていくのか。山口組問題に詳しい作家の沖田臥竜氏に聞いた。
完全終息までは、まだ時間が必要
沖田 ヤクザ組織に限らず、組織というのは人の集まり、つまり生き物だけに今後どうなるということは、それが過去になるまでわからないことが多い。特に、特定の目的やルールの中で活動する企業などと違い、さまざまな人間の生き様がぶつかり合う山口組の分裂問題ともなれば、なおさらではないだろうか。突然、終焉を迎えるかもしれないし、突然、武力が行使されることもあるかもしれない。そうした状況の中で、当局による取り締まりが影響を及ぼすのも必然だろう。仮に分裂問題が解決したとしても、それで全てが解消されるかといえばそうではない。神戸山口組から離脱した組織が、どのようになっていくのかなどの問題も残されている。そうした状況を考えると、問題が完全終息といえるようになるまでは、まだしばらく時間が必要となるのではないか。
――今後、仮に分裂問題が解決すれば、ヤクザ社会にどのような影響が出てくることが予想されるか?
沖田 昨今の当局によるヤクザへの厳罰化を考えても、分裂問題解消をひとつのきっかけとして、ヤクザ社会から足を洗うケースが増えてくるのではないか。神戸山口組が結成された際、下部の組員たちは、上層部の親分衆の意向に沿う形で神戸山口組に参加したというよりも、直属の親分や組長に従って、神戸山口組系列の組員になったケースが多い。だからこそ、現在のように神戸山口組が劣勢に立たされても、自らが盃を貰った組長が引退でもしない限りは、付き従うという組員もいる。それはなにも、神戸山口組の組員だからというわけではない。それぞれの組織で親は一代と決め、その親が引退すれば、ヤクザ社会から足を洗おうと考えている組員がいるのではないか。逆にいえば、直属の親方が引退するまでは、何があってもヤクザを続けるという意識にも繋がる。そうした状況の中で、山口組分裂問題の解消という区切りは、それぞれ末端の組員に至るまで、ひとつの決断を決めるきっかけになる要素があるのではないか。
――神戸山口組の井上邦雄組長が引退するのではないかと情報が業界内で一時囁かれたが、一方でそれをきっぱりと否定する通達が出されたのではないか、と噂されていたが。
沖田 真相はわからないが、そうした情報が流れるのは、それが結果的に山口組分裂問題の解消に直結するような重大事項だからではないだろうか。仮に井上組長が引退したとして、二代目体制が発足するかといえば、それは考えにくい。井上組長の引退は、神戸山口組の解散へと誰しもが考えているであろうし、それが分裂問題の解決へと繋がっていくと考えられている。それだけに、さまざまな噂が錯綜したのではないか。
――分裂問題が解決すれば、他にどうした影響が出てくることが予想されるか。
沖田 分裂問題が終結すれば、六代目山口組は、特定抗争指定暴力団の指定の対象外ということになる。対象外となれば、使用制限を受けている山口組総本部を始めとした、組事務所の使用制限も解除されるだろうし、警戒区域における組員の人数の制限なども解除される。当局はどれだけ厳罰化を進めても、法的に結社罪を適用するなどして、ヤクザを根絶しようとはしていない。ヤクザが社会に及ぼす影響はもはや限定的と見ている部分もあるのだろう。そうした現状を見ても、どこかで現在のような厳罰が緩和される可能性もあるのではないか。それがどこかとなれば、当局が抗争状態だと認定している山口組分裂問題が解決した時ではないか。
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