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バナナマン設楽を不動の地位にしたのは『乃木坂ってどこ』だった? アイドルと芸人の理想的な関係

バナナマン設楽を不動の地位にしたのは『乃木坂ってどこ』だった? アイドルと芸人の理想的な関係の画像1
テレビ東京『乃木坂工事中』公式サイトより

 乃木坂46の冠番組『乃木坂工事中』(テレビ東京系)が、5月16日深夜の放送回からYouTube配信をスタートさせる。

 毎週、番組放送直後に新たに開設される乃木坂のYouTubeチャンネル「乃木坂配信中」で配信を行うとのこと。同チャンネルでは番組以外にも、6月9日発売の新曲「ごめんねFingers crossed」のミュージックビデオなど、オリジナルコンテンツを配信する予定だという。

「現在、アイドル界の頂点を極める乃木坂ですが、ここまで登りつめたのは“グループアイドル史上最も美しい”と言われるビジュアル面だけでなく、この冠番組によるところが大きい。単なるアイドル番組ではなく、バラエティー番組ファンの視聴にも耐え得る人気番組でもあります。人気メンバーでなくても、キャラが立っていれば非選抜メンバーでもフィーチャーされますし、メンバーたちもそれがわかっているので毎回、全力で体を張ります。それによって番組はより面白くなり、グループの人気と認知度もさらに高まっていく、という好循環を生んでいるんです」(アイドル誌ライター)

     そして、同番組を語る上で欠かせないのが、MCを務めるバナナマンの絶妙な司会ぶりだ。

 メンバーがちょっとでもおかしな言動をすればすかさず突っ込み、おいしくイジってくれる。それだけに乃木坂メンバーのバナナマンへの信頼感が番組の随所で感じられ、乃木坂とバナナマン、双方のファンの間で両者の人気が高まるという相乗効果まで生まれている。南海キャンディーズの山里亮太などは、アイドルと芸人の理想的な関係だと大絶賛するほど。

    乃木坂の大ブレークに大いに貢献してきた『乃木坂工事中』だが、それはバナナマンにとっても同様だという。

「現在、多くの冠番組を持つバナナマンですが、2011年に前身番組の『乃木坂ってどこ?』でMCを始めるまでは、中堅芸人としてそれなりに売れてはいましたが、いまほどの売れっ子ではありませんでした。それまでのバナナマンはコントライブの評価は高かったものの、テレビ向きではないという風評が付きまとっていました。子どもの頃の貴乃花の物真似で笑いを取っていた日村勇紀はともかく、制作側としては相方の設楽統の適性が見えなかった」(同)

    当時、中堅というキャリアでは、バナナマンは番組で先輩芸人にイジられる役回りが主だった。日村はそれにハマったが、ドSキャラの設楽はイジられ役が似合わない。現在はバナナマンの司令塔として認知されている設楽だが、以前はテレビ的には日村の陰に隠れ、“じゃないほう芸人”の扱いだった。

「それが乃木坂の冠番組のMCで見せた頭の回転の早さや仕切りの上手さ、出演者と視聴者を不快にさせないツッコミやイジリで、その適性がテレビ関係者に知られるところとなったんです。実際、12年からは朝の情報番組『ノンストップ』のMCを務めているわけですからね。ブレークした若手や中堅芸人が冠番組を持つなど、さらに一段上を目指すにはMCの適性があるかどうかが重要。アイドル番組は芸人がMCを務めることが多いですが、その成否が将来を占う上での試金石となってきます」(同)

    アイドルにとっても、芸人にとっても大事。たかがアイドル番組、されどアイドル番組である。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2021/05/15 19:00
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