『チコちゃんに叱られる!』ガッツポーズの“諸説”にガッツ石松が激怒!?「お言葉返すようだけどねえ…」
#ガッツ石松 #チコちゃんに叱られる!
「駅から〇〇分」の表示があてにならない理由
2つ目のテーマの回答者を決めるべく、チコちゃんが「この中で一番、引っ越しが好きそうなステキな大人ってだーれ?」と問いかけ、手を挙げたのはMCの岡村隆史だった。彼は今まで、多くの引っ越しを経験したらしい。ところで、引っ越しするときに気になるのは「駅から徒歩〇〇分」というデータだろう。
チコちゃん 「今住んでいるところは徒歩何分って書いてあった?」
岡村 「7分って書いてありましたが、実際10分かかります」
わかる。実際は表示より時間がかかることが多い。地図ナビでも、提示される所要時間の1.5倍増しで考えるとちょうどよかったりするし。そんなわけで、この日2つ目のテーマは「不動産広告の徒歩○分はどういう基準で決まってる?」であった。そして、チコちゃんが発表した正解は「ヒールを履いた鈴木深雪さん」だ。はて、鈴木深雪さんとは……? 詳しく教えてくれるのは、国内唯一の不動産学部がある明海大学の中城康彦教授だ。
「不動産の徒歩所要時間は『道路距離80mにつき約1分間』と決められているんです」(中城先生)
これは聞いたことがある。有名な話だ。じゃあ、なんで自宅までの徒歩時間を長く感じることがあるのか? そこには、他のルールも関係しているという。例えば、「駅から徒歩○分」は改札からではなく駅の出入り口がスタート地点になる。都営大江戸線は地下深くを走っているためホームまでの距離が異常に長いので、電車を降りたとしても駅を出るのに10分近くかかってしまうけど……。あと、信号や踏切で生じる待ち時間はカウントされない。坂道や階段だと速度は遅くなりがちだが、そこも普通の道と同じ扱い。そして、ゴールは出入口ではなくスタート地点から一番近い敷地の場所が基準だ。駐車場が広かったりすると、玄関はまだ先にあるのに駐車場の端っこが基準となってしまう。いや、そこは玄関にしようよ……。マンションの15階に住んでいたら、1階の住人とは全く違う分数になってしまうだろう。
ところで、鈴木深雪さんとは一体誰なのか?
「鈴木さんは、不動産の広告表示のルールを決めた責任者なんです」(中城先生)
東京大学卒業後に公正取引委員会事務局に入り、我々消費者のために奮闘してくれたのが鈴木さんだ。昭和30年代、不動産広告にはウソの表示や大げさな表示が横行していた。例えば、ある広告には「東横線・武蔵小杉駅から女性や子どもでも徒歩6分」と書いてあるのに、実際は武蔵小杉駅から35km、車でもおよそ40分離れた町田に家があったり。ノスタルジーで「昔の日本は良かった」と言う人がいるが、それは大間違いだな……。
次第に「不当表示を規制して欲しい」という消費者団体からの要請が強くなり、景品表示法という法律が制定されることになる。その際、「不動産の公正競争規格」制定の担当者になったのが、東大法学部出身で法律の専門家の深雪さんだった。正義感溢れる深雪さんと不動産業界との闘いが、ここから始まる。
当然、不動産は駅から近いほうが価値がある。だから、業界からは「1分は徒歩100mにしたい!」という提案が。1分間に歩ける距離を長くし、徒歩〇分を少なくしたほうが物件を売りやすくなるからだ。しかし、「それはちょっと速すぎるんじゃないの」と納得のいかない深雪さん。そこで、彼女は自分で歩いてみた。女性でも参考になる基準にするべきと考え、自ら1分間で歩ける距離を計測したのだ。ただ、1つ問題が……。彼女の趣味は山歩きで、足が速かったのだ。そこで彼女は自分が持っている中で最もかかとの高い靴を履き、ゆっくり歩いて距離を測った。結果、1分間で歩ける距離は80mくらいだと判明! それを彼女は提案し、業界も受け入れて1分80mのルールが決まったという。
不動産業界との闘いなんて、考えただけで怖そうである。脅迫まがいの圧力があってもおかしくない。もはや、これは朝ドラ案件だ。
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