『チコちゃんに叱られる!』ガッツポーズの“諸説”にガッツ石松が激怒!?「お言葉返すようだけどねえ…」
#ガッツ石松 #チコちゃんに叱られる!
5月7日の『チコちゃんに叱られる!』(NHK)は4都府県での緊急事態宣言延長と、愛知、福岡両県の追加決定による菅義偉首相の会見のため、放送休止に。翌日の土曜(8日)午前に放送される再放送枠が本放送となった。
この回のゲストは初登場の芳根京子と、2回目の登場でチコちゃんに準レギュラーとして認められた土田晃之の2人。番組の大ファンという土田が満面の笑みを浮かべていると、チコちゃんは「どっかの委員会では全然笑わない」と痛烈なツッコミ。『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)での土田の仏頂面を指しているのは明白だが、彼の中で木村祐一(チコちゃんの声担当)>明石家さんまという形になっているのが面白い。
「ガッツポーズの起源はガッツ石松」説は本当なのか?
この日最初のテーマは「ガッツポーズってなに?」という疑問。ガッツ石松が起源という説は有名だが、違うのだろうか? ……と思っていたら、VTRにガッツさん本人が登場! 昭和49年4月11日、ガッツ石松がWBC世界チャンピオンになったとき「やったぞー!」と両手を上げて喜んだら、新聞社がその姿をガッツ石松の勝利のポーズ、即ち「ガッツポーズ」と名付けた……というのがガッチさん本人からの説明である。ただ、本来なら手の形はパーだけどグローブをはめていたからグーになっていた、というのがガッズさんによる注釈だ。というわけで、ガッツさんにも同様の質問が。
――ガッツポーズってなに?
ガッツ 「わからん。自分で自分をほめるポーズじゃないのかなあ」
チコちゃん 「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
チコちゃんが発表した正解は「『この後も頑張るぞ!』という印」であった。詳しく教えてくれるのは、東京大学の大築立志名誉教授だ。曰く、スポーツの試合で勝ったとき、人は両手をパーにしてバンザイのポーズをするが、ガッツポーズは片手でグー。つまり、勝ったときのバンザイと試合中のガッツポーズには明確な違いがあると先生は説く。勝つためには冷静さを保たなければならない。試合中に行うガッツポーズは感情をコントロールして意識的にやっている動作だと考えられている。一方、試合が終わって勝ったときはバンザイになるというわけだ。
「皆さんも経験があると思いますが、すごく緊張したり興奮したりすると両手や両足が左右で同じ動きになったり、体が思い通りに動かなくなったりしますよね。それは感情をコントロールする前頭前野の働きがうまくいかなくなったからなんです」(大築先生)
脳には感情をコントロールしたり集中力を促したりする前頭前野という場所がある。人間は日常生活のほとんどの場面で左右違う動きをしているが、極度の緊張や興奮状態になると前頭前野によるコントロールがうまくいかなくなる。勝ったときのバンザイは嬉しくて興奮するので左右の手を別々にコントロールできなくなり、両手が同じ動きになると考えられるそうだ。でも、勝った試合の後にアントニオ猪木が行う「ダーッ!」は片手を突き上げているし、手はグーの形なんだけど……。
「正確なコントロールが必要なスポーツでは、意識的に片手のガッツポーズをすることで冷静な判断と正しい動作ができていると前頭前野が確認しているんです」(大築先生)
両手が同じ動きになり、集中力が低下し正確なコントロールができなくなるのを防ぐため片手のガッツポーズで気持ちを落ち着かせているという考え方だ。だから、ガッツポーズは試合の途中で行われることが多い。マラソンでゴールしたときは脳で気持ちをコントロールする必要がなく、集中力も闘争心もいらないので片手でなくて両手、グーでなくてパーの状態になる。
実は、このグーとパーの違いにはある秘密がある。グーを握る動作は哺乳動物が自分の身を守るために備わっている動作の1つだそう。強く握るという動作が脳を刺激し、集中力を高め闘争心をかきたてるのだ。ガッツポーズで拳を強く握ることで新鮮な皮膚感覚が脳を刺激し、力が湧いてくる。じゃあ、「我が人生に一片の悔いなし」と片手の拳を突き上げながら絶命した『北斗の拳』のラオウは、まだやる気十分だったということかしら……?
ここまでわかったところで、改めてガッツさんを訪問。パーでバンザイしたつもりがグローブをはめていたのでグーになっていた世界タイトル奪取後のポーズについて、「あれはスポーツ科学的にガッツポーズではなかった」とスタッフは報告した。
「お言葉返すようだけどねえ、これは今から47年前、私がやったポーズなんだよ。相手ブっ倒して『やったぞー!』って喜んでんだから『この次また頑張るぞ』っていうポーズじゃないんだよ。『やったんだ! やったぞー!』っていうのがポーズなの。やった人の元祖だよ、私が」(ガッツ)
確かに「スポーツ科学的にガッツポーズじゃなかった」と今さら言われても、ガッツさんが否定するのは当然である。というか、ガッツポーズとバンザイがスポーツ科学の範疇に入るというのが驚き。あと、ガッツもバンザイもウルフルズが曲にしたという共通点があるな……。
補足情報として、ガッツさんがガッツポーズをした1974年の世界戦以前の1972年、「週刊ガッツボウル」というボウリング雑誌が「自分だけのガッツポーズを作ろう」という企画を掲載しているそうだ。これが、「ガッツポーズ」という言葉が使われた最初ではないかと言われている。しかし、世に広まったのは ガッツさんがきっかけと考えられているとのこと。だって、ガッツポーズがガッツさん発祥なら、全世界でガッツポーズが行われている現状に説明がつかないもんな……。
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