テニス世界王者ナダル、東京五輪参加保留ーー関係者「負の連鎖」懸念
#東京五輪 #テニス #ラファエル・ナダル
男子テニスの世界王者として知られるスペインのラファエル・ナダル選手が11日、今年7月に1年延期されている東京五輪出場について「わからない」と態度を保留した。
現在34歳のナダルはテニス4大大会(全豪オープン、全仏オープン、全米オープン、ウィンブルドン選手権)を過去20度優勝しているテニス界の世界王者。特にクレーコートでのプレーは無類の強さを誇る。また、2008年の北京五輪では男子シングルス、2016年のリオ五輪では男子ダブルスでいずれも金メダルを獲得している。
開催が間近に迫っている東京五輪出場について記者会見で聞かれると新型コロナウイルス感染状況が読めず「わからない。どうなるか様子を見る。普通の世界なら五輪欠場はない」と話した。
ナダル自身において五輪の重要性は「誰もが知っている」と語るなど、今大会への意気込みは相当な状況だが、五輪関係者は「ついに恐れていた海外有力選手の辞退が現実味を帯びてきた」と話す。
「日本国内の感染状況は海外でも報じられている。確かにアメリカ、欧州、インドに比べれば感染者数自体は少ないのですが、五輪本番は世界中から選手、関係者が集まり変異株を持ち込まれてあっという間にクラスター感染が発生する危険性もあります。いくらIOC(国際オリンピック委員会)や日本政府が『安心、安全に五輪を開催する』と訴えたところで実情を知ればかなり厳しいことがアスリートにも分かってしまっているのでしょう。
問題はナダル選手のような五輪の常連組が次々と不参加表明することで今、参加を迷っている選手に伝播すること。不参加者が不参加者を呼ぶなか強行開催すれば、それこそ名ばかり五輪と批判されるのがオチです」(同)
別の五輪関係者も「次に懸念されるのは国内の代表選手から参加辞退の声が上がることでしょうね。ただでさえ世論は五輪中止に傾いている中でさらに加速します。選手が参加を取りやめれば五輪なんて開けなくなるのは自明です」という。
つい先日もIOCのトーマス・バッハ会長が5月17日、18日に予定していた来日見送りを発表。6月に再調整するが、政府の緊急事態宣言が解かれなければ実現は不可能。
日を追うごとに東京五輪自体が機能不全を起こしていることが目立ってきたのは何とも悲しい。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事