6場所連続休場の白鵬 そこまで固執する「五輪で土俵入り」の夢
#東京五輪 #白鵬 #相撲協会
丸々1年間まともに働かなくてもクビにならないとは、横綱という地位がそれだけ重いということなのか。
9日の初日を迎えた大相撲五月場所で、横綱の白鵬は初日から休場。約3週間の加療が必要とされ、全休は決定的だ。これで白鵬が昨年九月場所以降に取った相撲は、先場所の2番だけ。それでも身を引かないのは、悲願が目前に控えているからだ。
「これまで優勝回数、通算勝ち星ほか、数え切れないほどの記録を打ち立ててきた白鵬の“最後の夢”が、東京五輪での土俵入りです。白鵬の父親は、メキシコ五輪でモンゴルに五輪初のメダルを持ち帰った国の英雄。このため、白鵬が五輪にかける思いは並々ならぬものがあり、ねてより『2020年までは現役で頑張る』と公言してきました。
五輪がまさかの1年延期で夢の実現が危ぶまれましたが、白鵬は休場を続けて横綱に居座る力技を選択。七月場所の初日が7月19日で、五輪の開幕が7月23日ですから、どうやら五輪まで横綱でいられそうです」(週刊誌スポーツ担当記者)
1998年に開催された長野五輪の開会式では、当時の横綱・曙が土俵入りを披露し、力士が各国選手団の入場行進の先導を行って喝采を浴びた。東京五輪で土俵入りがプログラムに組み込まれるかどうかは未定だが、「日本」や「東京」のアピールに相撲がピッタリなのは、誰もが認めるところだろう。連続の休場に批判の声が寄せられても、白鵬がまるで馬耳東風なのは、それなりの理由がある。
「ひとつは、同時期に横綱を務めた稀勢の里が8場所連続休場しているからです。横綱は休場しても番付が下がることはなく、休場以外の選択肢は引退だけ。力は確実に衰えましたが、体調さえ整えば、優勝候補の筆頭は今でも白鵬なので、“休むのは当然の権利”という考えは頭にあるでしょう。また、はたから見れば連続休場ですが、初場所の休場はコロナ感染が理由なので、“あれを連続休場にカウントされても困る”という意識もあるのでしょう」(スポーツライター)
要するに「サボっているわけではない」ということか。ファンが厳しい声を送りたくなる気持ちは理解出来るが、白鵬を含む外国人出身力士に異常に厳しいのが相撲界だ。
「白鵬は横審(横綱審議委員会)から、『引退勧告』に次ぐ重さの『注意』を受けましたが、8場所連続休場など、休場だらけだった稀勢の里に出されたのは一番軽い『激励』。横審委員はあれこれと理由を付けていましたが、場当たりな印象は拭えません。
また、白鵬は引退後も角界に残りたい意向ですが、いまだに親方株取得の目処が立っていない。白鵬ほどの実績があれば、“一代年寄”が与えられてしかるべきですが、先日、相撲協会が設立した有識者会議は『一代年寄を認めない』という提言をまとめました。これが白鵬を念頭に置いていることは間違いありません。ここまで行くと完全に人種差別で、提言をまとめた有識者の見識を疑います」(フリーライター)
横綱が世界に向けて相撲界の差別をアピールしたらどんな騒ぎになるか……有識者会議のメンバーたちは、そんなことにも考えが及ばないのだろうか──。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事