「五輪中止を絶対煽るな!」局上層部から指示が出るスポーツ関連番組と“五輪強行”の犠牲者
#スポーツ #メディア #東京五輪 #テレビ局 #トーマス・バッハ会長
政府は7日夜、5月11日まで設定されていた東京、大阪、兵庫への緊急事態宣言を今月末まで延長することを決め、新型コロナウイルス感染状況が悪化している愛知、福岡を対象地域に追加することも発表した。当初よりIOC国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長の来日スケジュールありきで組まれた緊急事態宣言だったが、そのシナリオはものの見事に崩れ去った。7日には五輪組織委の橋本聖子会長が「来日は難しい」と見通しを語るなど、「五輪中止」方向へ、一気に加速する様相だ。
五輪関係者はバッハ会長が広島県内で五輪聖火リレーイベントに参加する予定。最終決定こそしていないが「広島県内も感染状況がよくない。本来この時期には走者や細かいスケジュールが報道関係者向けに公開されているが未だに見送っている。広島には緊急事態宣言こそ発出されないが、来日すれば大批判を浴び、世論が五輪中止に大きく傾きかねない」と懸念している。
五輪大国のアメリカでは今月に入り、複数のメディアで東京五輪開催に厳しい指摘が入っている。5日付のワシントン・ポスト紙ではバッハ会長を「ぼったくり男爵」と痛烈に批判。「開催国を食い物にする」悪い癖があると指摘し「損切りせよ」と締めくくっている。
これでわかるように、五輪におけるアメリカの意向は、想像以上に大きい。日本国内世論を海外メディアが代弁するという構図は嘆かわしい問題だが、日本ではいまだに多額の協賛金を支払ったせいか、五輪ありきの姿勢を崩さない大手メディアが多い。
「局上層部からも『スポーツ番組だけは、中止を絶対に煽るな』と内々に指示が出ている。選手感情に寄り添うのが我々の仕事なので、スタッフの中でも報道の扱いをめぐって意見が割れている」(在京テレビキー局スポーツ番組スタッフ)
開催まで80日を切った6日、IOCは米製薬大手ファイザー社と五輪参加国の選手団に対して、ワクチンを5月末から供給すると発表。丸川珠代五輪担当大臣は「安心、安全の大会を進める上で非常に重要なご提案」と大喜びしたが、周りの環境はもはやそんなところで一喜一憂している事態ではない。
それでも、多額の利権にまみれて「政治家による五輪中止決断は困難を極める。6日に札幌で開催されたマラソンテスト大会や別枠で設けられたワクチン接種もすべては五輪本番を強行しようとする動き」(永田町関係者)。
強行した場合、犠牲になるのは“国民”なのだろうか。
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