『リコカツ』佐野史郎から平田満への途中交代劇の光と影…代役に抜擢された俳優の“苦悩”とは
#北川景子 #永山瑛太 #リコカツ
北川景子主演の『リコカツ』(TBS系)で、ヒロイン咲(北川)の父親・水口武史役を演じていた俳優の佐野史郎が体調不良のため、急遽途中降板となり、5月7日放送の第4話から俳優の平田満が引き継ぐこととなった。
『リコカツ』は咲と緒原紘一(永山瑛太)が運命的な出会いから交際0日婚に至るも、価値観や生活習慣の違いから離婚を決意、離婚活動“リコカツ”を始める、というストーリー。作中では新婚の2人だけでなく、同時にそれぞれの両親らの離婚問題も勃発してしまう。佐野が演じていた武史は元大手広告代理店勤務で浮気性な父親。幾度となく浮気を繰り返してきたが、どこか飄々として憎めない“チャラおじ”といった独特なキャラクターだ。
佐野といえば1992年に同枠で放送された『ずっとあなたが好きだった』(TBS系)で強烈なマザコン役を怪演、冬彦さんブームを巻き起こしたベテラン俳優。知的でありながら狂気に満ちた演技が似合いすぎるが、シリアスからコミカルまで幅広くこなす。その佐野が『リコカツ』のクセの強い“チャラおじ”武史を第3話まで好演し、視聴者のイメージが出来上がってしまっているだけに、ドラマファンからは「めっちゃ似合ってたから残念」「キャラクターの雰囲気が変わっちゃう…仕方ないけど」「佐野パパのいい加減具合を引き受ける平田満は大変やな」などと心配する声が数多く上がっている。しっくりハマっていた役だからこそ、違和感は大きいかもしれない。
オファーは嬉しいけど…代役を請け負った俳優の苦悩
放送中のドラマで主要キャストが途中交代するというのは珍しいことだが、過去にもいくつか例がなかったわけではない。
1994年の連続テレビ小説『春よ、来い』(NHK)では、主役の安田成美が体調不良を理由に途中降板したが、脚本家や制作陣との不和が囁かれ世間を騒がせた。最近でも2019年の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK)で大事な役を演じていたピエール瀧が麻薬取締法違反(使用)容疑で逮捕され、急遽代役が立てられたなんてことも。さらに、古くは1974年に大河ドラマ『勝海舟』(NHK)で主役の渡哲也がやはり体調不良により降板、第10話から松方弘樹が代役を務めた、ということもあった。
いずれの場合も代役を請け負った俳優にとっては、プレッシャーはさぞかし大きかったことだろう。前任者が名演をみせているほど、見るものの違和感が大きくなることは避けられない。松方弘樹も当時、「芝居は最初に演じた人がいいに決まっている」「所詮、俺は渡くんの代替部品だった」などと朝日新聞のインタビューで不満を漏らしていた。他のキャストとはスタート地点が違う代役請負人は、それほど難しく苦労が大きいものなのだ。
とはいえ、佐野と同世代の平田満も実力派のベテラン俳優だ。素朴で温厚なイメージがあるが、哀愁漂う中年サラリーマンや小悪人といった味のある演技に定評もある。視聴者からは「いつも優しいお父さんだったりちょっと苦悩するお父さん、みたいな役のイメージが多いからちょっとチャラチャラした軟派なお父さんって言うの見るの楽しみ」「平田満さんがチャラ男になってるの可愛いじゃないか」「佐野史郎から平田満に替わるって、前向きに捉えるとめちゃくちゃ面白い」などと平田パパに期待する声も数多く上がっている。
この難しい代役を平田がどう演じ、代役から本物になっていくのか、新境地を切り拓くことになるのか、大いに注目が集まる『リコカツ』第4話が楽しみだ。
■番組情報
金曜ドラマ『リコカツ』
TBS系・毎週金曜午後10時~
出演:北川景子、永山瑛太、高橋光臣、白洲 迅、宮崎美子、酒向 芳、三石琴乃、佐野史郎 ほか
脚本:泉澤陽子
演出:坪井敏雄、鈴木早苗、韓 哲、小牧 桜
プロデューサー:植田博樹、吉藤芽衣
音楽:米津玄師
製作:TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/rikokatsu_tbs/
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