誰かの“期待”とローラの危ういポジティブさ
#ローラ #千鳥 #森川葵 #テレビ日記 #プラスマイナス
プラスマイナス・岩橋「宇多田ヒカルの『さ……いごの』と一緒やろ?」
29日の『やすとものいたって真剣です』(朝日放送)で、フルーツポンチの村上健志と、プラスマイナスの岩橋良昌がロケをしていた。『プレバト!!』(TBS系)の俳句企画で活躍し、その句が中学校の国語の教科書にも掲載されたという村上。彼が俳句を詠む姿を、岩橋が密着取材するという企画だ。
で、テンションの高い岩橋と、それを鬱陶しがる村上という構図で進むロケは終始面白く、特に途中のフラフープのシーンはひとしきり笑わせてもらったのだけれど、次の場面も印象的だった。
菜の花畑でしゃがみこむ村上。そこで彼が詠んだのは「かくれんぼ こめかみに菜の花の触れ」という一句だった。菜の花畑にしゃがんで身を隠す子どもが、こめかみに触れる菜の花を感じているさまを表した句だという。なるほど、村上の俳句が評価されるのがわかる。彼いわく「説明ではないんでね、俳句って」。限られた言葉でいかに想像を喚起するかが大事だという。
そんな句に岩橋が素朴に「これは字余りか字足らずじゃないんですか?」と質問する。確かに、五・七・五のリズムを少し崩したものになっている。村上が「いや、これは句またがりなんで」と説明すると、岩橋は瞬時にそれを理解し、次のように解釈した。
「おしゃれ! 宇多田ヒカルの『さ……いごの』と一緒やろ?」
句またがりという技法を聞いて、「最後の」の歌詞を「さ……いごの」と歌う宇多田の『First Love』の冒頭を頭の中の引き出しから持ってくる。すごい。限られた言葉で想像を喚起された。ひとしきり笑い、感服し、改めて笑った。
ノブ「いやいや、一応ロケなんでね」
1日の『ノブナカなんなん?』(テレビ朝日系)で、15年で5000個以上のハンバーガーを食べてきたという一般人に密着していた。他の番組でも何度か見たことのある女性だ。番組では「ハンバーガーに取り憑かれた女」としてその人を取り上げ、彼女のハンバーガー店巡りにカメラを向けていた。その中のあるシーンが気になった。
店に入り、席についた彼女。食事前に日本のグルメバーガーの歴史を饒舌に語る。テーブルに注文したハンバーガーが届くと、マスクを外し、かぶりつく。黙々と食べ続ける。ひと言も発さない。スタッフが「どうですか?」などと味の感想を求めるも、応答することはない。そんなVTRを見ていたゲストの井ノ原快彦が、「あんな喋ってたのに」とスタジオでツッコミを入れる。
VTRは続く。彼女は再びマスクをつける。皿の上には食べかけのハンバーガーが置かれている。「ちょっと後でもいいですか? 食べたいんで」とスタッフに伝える女性。ワイプの千鳥・ノブが「集中したいんだ」、井ノ原が「ストイックだね」と言う。彼女はマスクを外し、改めて黙々とハンバーガーを食べ続ける。その映像に、「ハンバーガーを食べる彼女にとって、これこそ至福の時間。誰にも邪魔されたくない」とナレーションが重なる。ワイプのノブが「いやいや、一応ロケなんでね」と嘆きツッコミを入れ、笑い声(効果音?)が入る。
いやいや、明らかに“黙食”だろう。一般の個人がやっているひとつのコロナ対策だろう。食事中にマスクを改めてつけて喋っているのだから。それを文脈をすげ替えて“笑える映像”に仕立てる感じ。端的に、どうかしていると思った。
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