首相「緊急事態宣言は期間を短く」「高齢者ワクチン接種完了」の不可解さ
#週刊誌スクープ大賞 #週刊新潮
五輪開催しか考えていない“節操なき”菅義偉首相のコロナ対策
さて、未熟な人間はどこにでもいる。コロナ感染阻止よりも東京五輪開催を優先させている菅首相も同様である。
今回の3度目になる緊急事態宣言発令に際して4月21日、官邸で関係閣僚や事務方が集まって協議する場で、「期間は短くするべきだ」と菅が主張したと文春が報じている。
だが当然ながら、あまりに期間が短いと感染者が減らず、宣言解除できなくなる。そこで田村憲久厚労相が「絶対にそんなことはダメです」と抵抗して、ほんの少しだけ期間が延びたそうである。
だがその2日後にも、菅が突然、「七月末に高齢者のワクチン接種を完了させる」といい出した。実現不可能なミッションを突き付けられた河野担当相は激高して菅に直談判し、「できるわけがありません」といったそうだ。
菅は、ファイザーのワクチンは9月までに国民全部に行き渡ると豪語したが、口約束以外の何でもなかった。それが知れると今度は、まだ承認されていないモデルナを使うといい出したのである。
この人間は“節操”という言葉を知らないのだろう。文春のいうように、専門家の意見に耳を傾けたり、データを精査することなく、思い付きでいうだけなのだ。
コロナ分科会の尾身会長でさえ五輪開催に疑問を呈しているのに、組織委は「五輪には医療従事者が1万人、看護師が500人必要」などと無責任な要求をする始末である。
上がアホだからといいたくなる。4月25日に行われた3補選で全敗したのは当然である。当日の夜、党本部で林幹雄幹事長代理はこういったという。
「コロナ対策とワクチンの遅れ、そして、総務省接待問題がきつかったよ」
ところで、FLASHによれば、緊急事態宣言下の関西で、旋風を巻き起こしている人物がいるという。大阪を拠点にタクシーや貸切りバス、旅行業などを手がける、日本城タクシーの坂本篤紀社長(56)がそれだ。smart FLASH(2021.04.28 06:00)によると、
――4月14日放送のBS―TBSの番組で橋下徹元大阪市長(51)と対峙し、橋下氏の主張を「アホみたいな議論」と一刀両断、ことごとく論破して喝采を浴びた。
坂本氏は、どんな人物なのか。営業所を訪れると、社長みずから快く取材に応えてくれた。
「吉村さんはトリックスターや。だって、何もしてないもん」
話は吉村洋文大阪府知事(45)への批判から始まった。
「彼は、他人の痛みがわかってない。最たるものが『EXPO2025』と書いてあるジャンパーを着て、『おばあちゃん、足痛いけど膝の手術こんな時期やから先延ばしにしてね』とか言うてること。これって説得力があるんやろか。
万博と書いてあるジャンパーを着ているのは、次の選挙対策のためでしょ。感染防止のことなんて考えていない。だいたい、テレビに出演することが対策ですか? 『全国に先駆けて』『全国で例がない』、このワードが好物なだけ。テレビに出演することではなく、対策をすることが大事なんや。
なにより、医療崩壊をなんとかせんと。いま交通事故に遭ったら、救急車2時間待ち。頭打ってたら間違いなく死ぬで。『イソジンがコロナに効くとか、めちゃくちゃなこと言うてたけど、彼はまったく反省もしていないし、改めようともしない。
僕が意見を言うのは、吉村さんや橋下さんは、失敗から学ばないから。僕は、悪口を言うたことはない。彼らがしてきたことを、そのまま言うてるだけなんや」――
私が坂本社長のその言やよしと思ったのは、彼にとって最も許せない人間が菅首相のブレーンだといわれる竹中平蔵だということである。
――「いま、日本は国難とも呼べる状態。そういうなかで、竹中氏および成長戦略会議の面々は、いちばん邪魔になってるんちゃうかな。
彼の仲間のデービッド・アトキンソン氏は、『中小企業、半分になったらええねん』と言うてるけど、日本の会社の95%は中小企業。何千万人の失業者を出せば、気がすむんや。完全雇用で幸せだった日本の雇用制度を、竹中平蔵たちが破壊したんや。(中略)
国民に自己責任を説きながら、竹中さんは政府や役所に働きかけて法や制度、政策を都合のいいように変更させて利益を得ている。旗振り役となって規制緩和を推し進めた先に、彼の利益があるというマッチポンプ的な構図になっているんや。
彼らは『既得権益の打破』とか言うけど、実際は自分らの既得権益を守り、それ以外の既得権益を打破する政策や。『身を切る改革』というのは、他人の身を切る改革。ベーシックインカムを主張するのも、パソナ経営陣として社会保障を切り捨てたいからや。つまり、1億総生活保護者にしたいんやろ』――
私は、今のこの国で一番必要なのは“真っ当”に怒る人間だと思う。
菅をはじめ、ウソばかりついて国民のことなど考えない政治屋や、利権に血道を上げる電通を始めとする政権癒着業者、IOCばかりみて現実を見ない五輪組織委の面々、片棒を担いで恥だとも思わない大新聞、大テレビという腐敗しきったメディアに対して、怒りを露わにしないのはなぜなのか。
この程度の国民だから、この程度の政治、この程度のメディアしか、この国には存在しないのだ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事