【名作】5000杯以上レポしたカップ麺ライター厳選! 「ネタとしか思えない」カップ麺3杯【カムバック】
#カップ麺 #二郎 #ペヤング #カップ麺一行3昧
おかげさまでこの連載も1周年を迎え、これまで多くのカップ麺をご紹介してきました。名品、珍品様々で、おすすめできるものから、中にはおすすめできるのか? というものもあったような、なかったような。
今回はGW企画第1弾として、3000杯以上のカップ麺を食してきた筆者がこれまでご紹介したカップ麺の中から、とくに「ネタとしか思えない」カップ麺を3品ご紹介します。いずれもあらゆる意味で世間を沸かせた商品なので、ご存じの方も多いかもしれません。
カップ麺で490円(税込)はネタなのか本気なのか?「一蘭」初のカップ麺は超高額!「一蘭 とんこつ」
映えあるひとつめのカップ麺は、豚骨ラーメンの名店「一蘭」の初のカップ麺、「一蘭 とんこつ」490円(税込)。両脇を衝立で囲まれた「味集中カウンター」や、専用の用紙に麺の硬さやタレの量など細かく注文ができる「オーダーシステム」を採用し、業界を牽引してきた「一蘭」が送り出した、490円(税込)というネタとしか思えない価格設定のカップ麺。
490円という超超強気な価格設定にもかかわらず、具材はあえて入れていないという驚きの宣言。「ラーメン本来の純粋な味わいを楽しんでいただくため」というのが理由だそうですが、カップ麺の具は「一蘭」が求めるレベルに達していないということかもしれません。
白濁の豚骨スープに細麺、そして「一蘭」名物の「秘伝のたれ」の組み合わせで、本当に具は入っていない「かけラーメン」状態。ネタじゃなければ、よほどスープや麺への自信があるとしか思えません。
スープは、「一蘭」らしい甘くて口当たりの良い味わいで、豚骨の臭みは一切なし。油や塩気による濃厚さ、押しの強さはないですが、グッと押し出されてくる太い豚骨の旨みが太いです。そして、鼻を抜ける臭みではない豚骨の香りも、スープの本格感を増幅させていました。
スープ表面には、カップ麺ではあまり見たことがない形状の油脂が浮いています。決して量が多いわけではありませんが、豚脂の香ばしい風味や上品な甘みが感じられました。
お店同様に、豚骨臭はないスープですが、ここまで旨みが強い豚骨スープはカップ麺で食べたことがありません。高額商品なのでおいしいのは当然という考え方もあるでしょうが、お金をかければカップ麺でもこんなに完成度の高いスープが作れるという事実に驚かされました。
「一蘭」の名物「秘伝のたれ」も再現されています。スープをピリ辛にするとともに、スパイスや香味野菜などによってスープの味を複雑なものにしています。
ただ、今回のスープのデキがあまりに素晴らしいので、まずはスープだけで楽しみ、「味変」アイテムとして後半戦に入れるのが良いかも。スープ単体であまりにおいしいので、スープの味が変わってしまう「秘伝のたれ」は使わないという選択肢もありでしょう。
合わせる麺は、しっとり感と歯切れの良さが特徴の極細ストレートノンフライ麺で、お店に比べるとひとまわり太いでしょうか。かなりおいしいですが、麺量がそれほど多くないので、替え玉が欲しくなります。
490円という値段で、しかも具はなしという、ネタとしか思えないカップ麺。ただ、このおいしさを知ってしまうと、ネタではなく本気でおいしさを追求したカップ麺なのだと感心してしまうでしょう。1,000円近くする実際の「一蘭」の代わりになりうると考えれば、決して高いとは言えないスゴい商品です。
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