『関ジャム』三浦大知特集! 業界内で「スゴいスゴい」と言われる彼の実力は世に伝わるか?
#三浦大知 #関ジャム #s**t kingz
「一生懸命やってるだけ」といじける三浦大知
s**t kingzが挙げた三浦のスゴいところはまだある。それは「フロアがスゴい」だった。「フロア」とは床に手や膝をついて踊る振りのことだ。なんと、三浦は歌いながら……つまり、マイクを持ちながら他のダンサーと同じようにフロアもやるのだ。
「普通、歌手は上半身の姿勢が崩れたり手から振動が伝わったりして歌いづらくなるので、ついても膝がギリギリ。ましてやハンドマイクを持って、両手が使えない状態。体幹の強さ、マイクを落とさないように踊る技術、あらゆるテクニックが詰まっています」(Oguri/s**t kingz)
あまりに三浦がナチュラルにフロアをこなすし、ましてや無音シンクロダンスまで見せられたものだから麻痺していたが、再認識した。s**t kingzが「普通、歌手はフロアをやらない」と言ってくれたが、確かにそうだ。かつて、風見しんごがブレイクダンスしながら歌うこともあったが、正直、彼は息を切らせながら歌っていた。でも、三浦は息を切らせない。ダンス中にマイクを持ち替えたり、ここまで来ると体幹トレーニング見ているような印象である。他のアーティストはあまりここまでやらない。
古田 「俺ら、ミュージカルでやるとき、大体ヘッドセットだから。ほんで、歌ってる人は(ダンスに)参加しない。だから、こういうことされると困るのよ!」
Kazuki 「本当にそうなんですよ。色んなアーティストの方の振り付けさせてもらうんですけど『ここは絶対フロアがいいな』と思って、試しに入れるんです。でも、『いやいや。俺、三浦大知じゃないから』って言われるんで(笑)」
三浦 「頑張ってこんな文句言われるとは……(苦笑)。本当、一生懸命やってるだけなんです」
今、s**t kingzがチャップリンの演説をダンスにした意義
もちろん、スゴいのは三浦だけじゃない。s**t kingzはバックダンサーとしてではなくアーティストとして、今年3月に『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演したパイオニアだ。
「ダンサーっていうのは自分たちの曲が無かったりとか、なかなか1つの表現者の枠としてどうしても捉えられづらいというか認められづらいところが正直あったんですけど、s**t kingzがやってきた道がダンサーの可能性を常に広げ続けています」(三浦)
自分を語るときは「一生懸命やってるだけ」というノリで話す三浦なのに、s**t kingzを語るときは異常に饒舌だ。愛が溢れすぎているのだろう。本人たちの倍以上に4人について語り倒したが、わかりやすい言葉で論理的に解説してくれるので凄く伝わってくる。
三浦が特に紹介したがったs**t kingzのダンスは、「独裁者-最後の演説-」だった。ヒトラーの独裁政治を批判した映画『独裁者』のラストシーンでチャップリンが演説した名スピーチに合わせ、s**t kingzが振り付けしたダンスである。つまり、曲ではなく言葉に合わせて振り付けしているのだ。彼らが合わせたスピーチはこんな内容だった。
「諸君には力がある。機械を生み出すその力が。そして、幸福を生み出す力が。諸君よ、人間は人生を自由で美しいものにする力を持っているのだ。この世を希望に満ち溢れた世界にできる力を。民主主義の名のもとに団結しようではないか。新しい世界のために戦おう。雇用や福祉が充実した世界のために。独裁者たちは同じ約束をし、権力の座に上り詰めたが彼らは口先だけで約束を果たしてはくれない。これからも決して果たしはしないだろう。独裁者は自らを解き放つが、彼らは国民を奴隷にするのだ。今こそ、その約束を果たすために戦おう」
今回、番組は「独裁者」のダンスをノーカットで放送した。圧巻だった。3分43秒を地上波で丸々流す意義のある映像。s**t kingzがダンスにしたことで、元から演説にリズムとメロディーがあるように伝わってきたのだ。チャップリンの真意が、よりくっきりと伝わってきた。それでいて、表現そのものは紛れもなくs**t kingzだ。雇用と福祉を訴えるチャップリンのスピーチを、今というタイミングでダンスとして表現したs**t kingzの心意気も響く。VTRを見終えた直後、古田新太を見ると彼は涙ぐんでいた。同じ表現者としてグッと来たのだ。
「作品のテーマとかダンスの凄さもあるんですけど、s**t kingzが凄いのは、これが飛び道具に見えないんです。言葉に合わせて踊るって珍しいというか無いじゃないですか。下手するとそのトピックが前に出て技術を見せるみたいな形に行きそうなんですけど、身体を使いナチュラルにメッセージを表現している。そこがs**t kingzのスゴさだなと思います」(三浦)
この日の『関ジャム』は三浦大知とs**t kingzがお互いを称賛し合うような内容だった。でも、お互いが本物だから決してお世辞になっていない点が重要。特に、三浦だ。彼は業界内で「スゴい、スゴい」と言われることが多い。でも、そのスゴさが世にちゃんと伝わっているのか微妙なところがある気がする。三浦大知とs**t kingzのトリセツのごときこの企画は意義があったと思う。
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