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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『家つい』70歳ツンデレ夫にこっちテレる!

『家、ついて行ってイイですか?』「感謝してくれてありがとう」 70歳ツンデレ夫に見てるこっちがテレまくる

1番の理解者だった母の自殺「あの電話に出ていれば……」

 練馬駅でスタッフが声を掛けたのは、バーに勤務する28歳の男性。彼が勤めるのは、LGBTとそれ以外の人がみんなで働けるMixバーである。この男性はゲイだそうだ。スタッフが「家、ついて行ってイイですか?」と言うと、彼は「(番組を)メチャメチャ見てます」と喜び、快諾してくれた。

 というわけで、上池袋にあるという男性の家へタクシーで向かうことに。彼には同居人がいて、元はお客さんだった40歳の女性と共に生活しているらしい。ご両親は息子のセクシャリティをすでに知っているという。

「(伝えたのは)21~22歳ぐらいのときですかね。1番理解してくれたのは母親で」

 カミングアウトするまでは“死にたい願望”が強かった彼も、打ち明けてからは生きるのがすごく楽になった。しかし、ここ最近は激動だったようだ。

「私もこの2年くらいは色々変化があったかなっていう。ずっと悩んでましたね、この2年間。酒に溺れるじゃないけど……」

 そうこうしているうちに、上池袋の自宅へ到着。1K、家賃8万円のマンションだが、彼が生活するのは3帖のキッチンスペースのみである。家賃全額を同居女性に頼っているので、6帖の洋室は寝るときにだけ使用する。それ以外は、ずっとキッチン。スマホでYouTubeを見ながら缶ビールを傾けるのが常だ。

スタッフ 「この生活って大変じゃないですか?」
男性   「でも結局、家ってそんなもんかなあっていう」

 男性の現在の収入は15万円前後。それらは全て飲み代に消えるそうだ。

「結局、二日酔いで1日休みが丸潰れしちゃったりとか。30時間とか飲んで、最後は気絶して寝落ち状態になります。お店でひっくり返ってるとか(笑)」

 男性は彼氏とは別れたばかりで、その原因は酒癖の悪さだったらしい。なぜ、そこまで酒に溺れるのか?

「1番理解のあった母親が亡くなったってことが。2年前の8月21日、1番衝撃的だったですね。かなりこたえました」

 彼の母はマンションの7階から飛び降りたそうだ。そもそもの始まりは、夫との別居だった。かつて鬱を患っていた彼女は実家へ戻り、そして恐らく仕事で滅入ってしまった。亡くなる前日、男性の携帯には母から不在着信が届いていた。

「この電話に出ていれば、まだどうにかなったのかなみたいな。後悔しかないですね。今、何言ってもしょうがないですけど。この電話に出られたら何か変わったんじゃないかなみたいな」

 連絡が来たとき、同居人の友人が飲みに来ていたので男性は電話に出られなかった。その後、彼は母にLINEを返信する。以下が文面だ。

母  「また具合が悪くなっちゃった~」
男性 「大丈夫なの?」
母  「大丈夫だよ~仕事頑張ってる 成功祈ってるよ たった二人の兄弟だから仲良くしてね」

 実は、母からLINEをもらったのは彼だけだったという。祖母にも弟にも連絡はなかった。1人だけに送られたSOSのサインだったのだ。家族の自死は1番辛い。しかも、最も理解してくれた母親である。きっと、彼女は真面目だったのだろう。「大丈夫?」と心配されても「大丈夫」と返す、弱音を吐くのが苦手な人だった。最後の「兄弟仲良くしてね」という文面がもう決心しているように見え、やりきれない気持ちになる。だとしても、この男性は決して自分を責めることはない。母に頼りにされる存在だったし、連絡もちゃんと取り合っていたのだから。

 彼には1つの夢がある。

「この先は自分の店を持つっていうのが夢ですね。いずれはタワマンに住みたいなって思います(笑)」

 そのためには、お酒を減らす必要がある。体を壊したら、夢を果たせない。元も子もないことを言うと昼型の生活に移り、生活をもっと豊かにするべきでは? とさえ思った。今のメンタルを見ていると心配になる。お酒に溺れると、立ち直るのはなかなか大変だ。この人の未来は明るいものであってほしい。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/05/19 21:00
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