東京五輪“アメリカの放送局が最優先”で紙媒体はまともに取材できない!? 開幕90日前のお粗末ぶり
#東京五輪 #橋本聖子 #放送局
東京五輪開催まで90日を切った25日、橋本聖子五輪組織委員会長が静岡県内で行われた自転車トラック種目の五輪テスト大会を視察した。
橋本会長は競技だけでなくメダル授与式や報道陣と選手とのやり取りの模様をチェックしたが「課題が残っている」と話した。取材ゾーンでは選手と報道陣がソーシャルディスタンスの2メートルの距離を確保して取材ができるか試してみたが、失敗に終わったという。
橋本会長は「あらゆるテクノロジーを使って準備したい」と話したが、ただでさえ取材規制が厳しい五輪の現場でコロナ仕様のまともな取材はできるのだろうか?
長年、五輪取材に携わってきた在京テレビキー局のスポーツプロデューサーは「テレビ局はどうにか取材ができると思います。これまでも映像を代表1局に撮影させて共有、リモート取材もZOOMなどを録画、録音してそのまま放送に載せることへの抵抗感が消えましたから。五輪本番も民放連加盟社はライツホルダー(権利取得メディア)扱いのため、ある程度優遇されると思います。問題はIBC(国際放送センター)にメダリストを呼ぶ際のハードルが高くなること。今までのように各局の放送ブースを回ってメダルを見せて感想を聞く形は難しいでしょう。やはりZOOM形式での出演が主になると考えられます」と、話す。
一方で困るのは新聞や通信社などのペン取材で、全国紙運動部デスクも「かなり苦労しそう」と頭を悩ませている。
「五輪の取材で新聞、雑誌メディアはノンライツ(権利保有なし)です。メダリストが試合後、通路に設けられた通称、ミックスゾーンはまずアメリカの放送局が最優先で次に日本人選手ならNHK、民放のテレビ、ラジオでスクラムを組んだJC(ジャパンコンソーシアム)、その次に在京テレビキー局の取材を受けます。最後にペンがその他大勢扱いで取材に参加できますが、時間はわずかで1~2問できればいい方。現場で生の声なんてほとんど取れないと考えていた方が賢明です。狭いエリアで密集して選手を囲むためコロナ対応していないのも厳しいでしょう」(同)
五輪開会式まで3カ月を切ったタイミングで、組織委のトップがテクノロジー活用を訴えたところで何ら問題が解決することはない。取材もまともにできなければオリンピアンの想いもお茶の間に届かない。「こんな状況でまともに五輪開催を目指している方がどうかしている」と先の関係者も憤るが果たしてどう決着がつくのだろうか。
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