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神田川俊郎さんと志村けんさんの数奇な関係…バカ殿に料理献上の過去も

日本料理「神田川本店」HPより

 人気料理バラエティ番組『料理の鉄人』(フジテレビ系)などで人気を集めた料理研究家の神田川俊郎さん(本名・大竹俊郎)が、4月25日未明、大阪市内の病院で新型コロナウイルスによる肺炎で急死していたことがわかった。81歳だった。

「16日に店の2階で倒れたため、病院に緊急搬送されたのですが、新型コロナウイルスと診断されたそうです。その後、人工心肺エクモ治療を受け、いったんは回復してひと安心……と思っていたら、夜中に急変。25日未明に肺炎で亡くなりました。神田川さんといえば、同じくコロナで急死した志村けんさんとの共演もあっただけに、なにか因縁めいたものを感じます」(神田川さんと親しかった番組制作会社プロデューサー)

 神田川さんは、京都市内の中学校を卒業後、大阪市内の一流料亭で修業。その後、創作おでんの店で独立すると、65年には大阪市北区に和食料理店「神田川」を開店。現在までに北新地に4店舗を構える料理実業家だった。ちなみに、神田川の名前は、祖父が東京・京都で開いた鰻屋「神田川」から取ったものだという。

 「神田川さんは、メディアの進出にも積極的で、知人だった三波伸介さんが司会を務めていた頃の『笑点』(日本テレビ系)では料理コーナーを担当。そのほか、よみうりテレビの『2時のワイドショー』や『Beアップ2時』の人気コーナーだった『神田川料理道場』の師範役でもお茶の間のおなじみになりました」(在阪のマスコミ関係者)

 90年代には、フジテレビ系人気料理バラエティ番組『料理の鉄人』に“関西料理界のドン”として出演。“中華の鉄人”と呼ばれた陳建一さんや“和食の鉄人”と呼ばれた道場六三郎さんらと、数々の名勝負を披露した。

 「95年には、『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)の夏のスペシャル番組に、弟子2人を連れて出演。献上したマグロを料理して、バカ殿に扮した志村さんにご馳走したんです。それが縁で、神田川さんがスウェーデンで和食を作って、志村さんに食べさせる番組を制作しました。志村さんにとっては、カツラをつけない、初めての仕事でした」(前出の番組制作会社プロデューサー)

 その後、テレビ朝日系で放送された『仰天グルメ旅』。女優の浅野ゆう子と神田川さんの世界各国を巡る年1回の特番だったが、もとは神田川さんからプロデューサーが「(志村さんと神田川さんが共演した)企画をパクっていいですか?」と問われて始まったものだという。

 そうして神田川さんは、世界に和食を普及させることに貢献する一方で、国内では4店舗の料理店を経営。さらに、ディナーショーや講演会、料理本の監修やレシピの提供などで活躍していた。

「本業の料理人としても、現役で腕を振るっていた。神田川さんは、日本料理店だけでなく、和ふらんす懐石や天ぷら懐石、おでん懐石の店も経営していましたから、北新地のクラブのホステスの同伴客が多かった。神田川さんも、いつも店を利用してくれるということで、顔なじみのクラブに顔を出していた。そのうちの2人が、コロナに感染していたんです」(在阪のテレビ関係者)

 16日に自宅で倒れた後、救急搬送され、重症に陥ったものの、24日にはエクモが外されるまでに好転に向かった神田川さん。だが、その後、容態が急変し、25日未明、帰らぬ人となった。

 和食文化の普及に貢献した神田川さん。改めて合掌。

 

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2021/04/28 20:00
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