IOC委員「五輪決定可否は医療関係者がすべき」の波紋と東京五輪中止シナリオ
#東京五輪 #新型コロナウイルス #菅義偉
23日に東京都、大阪府、兵庫県に26日から3度目の緊急事態宣言発出を表明した菅義偉首相。期限を設定した5月11日までの3週間で人流を抑えてどうにか感染状況を改善したい考えだが、頭の中にちらついているのはこだわっている東京五輪・パラリンピック開催のことだろう。
菅首相は23日夜、官邸での記者会見の場で新型コロナウイルス感染拡大の中で準備を進めている東京五輪について「権限を持っているIOC(国際オリンピック委員会)が開催することをすでに決めている。安全、安心な大会にするため、さまざまな対応を取っている」と話し、3月中旬に中途半端な形で緊急事態宣言を解除したことを問われると「五輪聖火リレーがあるから解除したとか、しないとか、そういうことは全く関係していない」と強く否定した。
だが、5月11日までとする宣言期間について永田町関係者は「5月17日、18日にIOCのバッハ会長が来日、興味を持っている広島での聖火リレーを見学する予定です。ただ、開催都市の東京に緊急事態宣言が出ていてはどうしようもない。どんな手を使ってでも解除する方向に持っていく」と指摘。唯一、期待できるのは「今秋の衆院選への出馬も噂される小池百合子東京都知事が世論を味方につけたほうが選挙に勝てると判断すれば、開催都市の責任者として一気に五輪中止論を訴え始めるはず」と明かす。
また、このタイミングでバッハ会長が「緊急事態宣言は東京五輪と関係ない」とわざわざビデオメッセージを出したことにも「世論の反発を招く言動。官邸はバッハ氏に『予防的措置』と説明しているのかもしれないが、それが露呈してしまった。橋本組織委会長は『決して関係ないとは思われていない』とフォローしたが、反対に墓穴を掘ってしまっている」と呆れている。
さらに気になる情報も入ってきた。
IOC委員で元アイスホッケー女子のカナダ代表の金メダリスト、へーリー・ウィッケンハイザー氏がこのほど、東京五輪開催の可否を「医療関係者がすべき」との考えを示したと同地のメディアが報じた。
ヘーリー氏は開催される場合は「非常に明確かつ透明性ある説明が必要」と訴え、日本の感染状況に「危機の中で生きているリアルな人がいる」と訴えた。コロナ禍が始まった昨年3月にも五輪の予定通り開催を「無神経、無責任な行為」と非難したが、五輪組織委関係者は「現役アスリートに飛び火しなければいいのですがね」と肝を冷やしている。
無責任な菅首相の発言に海外がどう反応するのかにも注目が集まる。
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