『鬼滅の刃』主題歌「炎」がレコ大の“悪しき慣習”に開けた風穴 純粋アニソンの大賞は30年ぶりに
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近年、アニメの主題歌やテーマソングを歌うアニソン歌手の活躍が目立っている。2020年にはその活躍ぶりを象徴する大きな出来事が起こり、音楽業界をざわつかせたようだ。
レコード会社の社員はこう語る。
「昨年末、LiSAさんが歌う人気アニメ映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の主題歌『炎』が、『日本レコード大賞』の大賞に選ばれたのには正直、驚いた業界人も多かったと思います」
同曲といえば、社会現象にもなった『鬼滅の刃』のブームも手伝って20年10月にリリースされたシングルが、オリコン週間シングルランキングで3週連続で1位に輝いたのをはじめ、各種音楽チャートを席巻し、大晦日に放送された『NHK紅白歌合戦』でもLiSAの生歌により披露されるなど人気を集めた。
レコ大の大賞に選ばれたのも順当な結果と思えるが……。
「レコ大は、作曲家の先生がたで組織された日本作曲家協会が主催していることもあってか、いわゆるポップスや演歌、歌謡曲に比べてアニソンは評価され難い傾向にあります。まして『炎』に関してはテレビアニメのシリーズとはいえ、“劇場アニメ”の主題歌ということもあり、人気や実績は認めつつも大賞獲得は難しいだろうという見方も強かったんです」(前出のレコード会社の社員)
実際、「炎」以前にレコ大で大賞に選ばれたアニメソングとなると、19年前の01年の浜崎あゆみの『Dearest』までさかのぼるが、「確かに『Dearest』はアニメ『犬夜叉』のエンディングテーマでしたが、『ツーカー』のCMソングにも起用されていましたし、当時もそこまでアニソンという印象はありませんでした。“純粋なアニソン”となると、30年前の90年に大賞に輝いた『B.B.クィーンズ』の『おどるポンポコリン』以来と言ってもいいんじゃないでしょうか」とはスポーツ紙の芸能担当記者。
かなり以前からアニソン歌手や声優アーティストを積極的に起用してきた紅白に比べると、“音楽業界最大の賞レース”と呼ばれ、毎年受賞作をめぐって水面下で大手レコード会社や大手芸能事務所らによる駆け引きが繰り広げられてきたレコ大に関しては、保守的な部分もあった。
「14年にディズニーのアニメ映画『アナと雪の女王』がブームになった時でさえ、日本語版主題歌は大賞には選ばれず、『特別映画音楽賞』にとどまりましたからね。そういう意味では今回の『炎』の受賞は、レコ大の長きにわたる悪しき慣習に風穴を開けたと言ってもいいでしょう」(前出のスポーツ紙の芸能担当記者)
やはり興行収入400億円のテーマ曲はダテではない……ということか。
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