“12歳の少女”に群がる大人たちの歪んだ欲望! 『SNS 少女たちの10日間』が暴くネットの闇
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“12歳の少女”に群がる男たちの正体は?
SNSにアクセスしてきた男たちは、みんな大の大人たちだ。40~50代の男性が多く、中には孫がいてもいい年齢のジジイもいる。ドキュメンタリー映画の撮影が行なわれていることは知らずに、欲望丸出しで“12歳の少女”に言い寄る。「裸の写真を送ってよ」「今度、2人で会わない?」。あまりの強引さに彼女たちが言葉を失っていると、シャイで恥じらっているのだと勝手に解釈して、ますます図に乗って厚かましい要求をしてくる。スタッフが用意した偽のヌード画像を送ると、態度を一転させ「ネット上にばら撒く」と脅迫してくる輩もいる。これまでに、どれだけの少女たちが親に言えずに被害に遭ってきたのだろうか。
画面上に映し出される男たちの顔には、ボカシが掛けられて入る。だが、目を隠す一般的なボカシではなく、目と口をハッキリと見せ、それ以外の顔のパーツを隠したボカシとなっている。そのため、男たちの目が欲望でギラギラと光り、舌舐めずりしていることが分かる。下ネタトークに続き、送られてくる男性器の画像にセックス動画……。性についての知識がまだ乏しい子どもたちが見たら、歪んだ先入観を植え付けられる可能性が強い。
ペドフィル(小児性愛者)はネット上にこんなにもいるのかという驚きを覚えるが、どうやらそうではないらしい。撮影現場には精神科医、弁護士らと共に性科学者も同席しており、頭を抱え込む女優たちをケアするシーンが盛り込まれている。その性科学者によると、ネット上で子どもを狙う男たちを調べてみると、真性のペドフィルはごく少数で、3~5パーセントに過ぎないという。では、“12歳の少女”に群がる95%以上の男たちは何者なのか?
純真で従順、性知識は乏しいが好奇心は旺盛、いたずらしても親に告げることのない実に都合のいい性の対象としてしか、男たちは少女を見ていない。人間と呼ぶには至らない、“性獣”どもということだ。
性獣どもは少女たちが傷つくことは考えていない。むしろ、傷つけることを楽しんでいる。ネットを通したコミュニケーションではなく、これはネットによる暴力である。撮影に立ち会った弁護士いわく、「ネット上でも児童虐待になる。彼らは犯罪者だ」ときっぱり断定する。
大人の女性との付き合いを避け、おとなしそうな子どもに向かって性欲をぶちまける性獣ども。ネット世界の闇を見せつけられ、“12歳の少女”を10日間にわたって演じ続ける女優たちもげっそり。本作を観ている自分も、うんざりしてしまう。そんな中、1人だけまっとうな若者がいた。“12歳の少女”が「みんな、ヌード画像を送れっていうわ」と打ち明けると、「ヌードは個人的なもの。愛する人以外に見せちゃダメだよ」と若者はごく当然な見解を伝える。常識的な言葉に、“12歳の少女”は思わず涙ぐむ。
パンドラの箱の最後に「希望」が残されていたように、わずかながらも良識を持った男性がいた。その事実が“12歳の少女”たちを安堵させる。
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