“12歳の少女”に群がる大人たちの歪んだ欲望! 『SNS 少女たちの10日間』が暴くネットの闇
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パンドラの箱を開けると、箱の中からはありとあらゆる災いが飛び出し、世界中へと広まっていった。そんなギリシア神話を思い出させるのが、チェコで制作されたドキュメンタリー映画『SNS 少女たちの10日間』(原題『V siti』)だ。インターネットに触れる子どもが、大人たちから性的虐待に遭っている現状を告発した衝撃的な内容となっている。
2017年、SNSについての興味深い実験が東欧のチェコで行なわれた。実験を行なったのは、男性のヴィート・クルサーク監督と女性のバーラ・ハルボヴァー監督。2人は10日間にわたる実験の一部始終をカメラに収め、ドキュメンタリー映画にまとめた。
実験に先立ち、ヴィート監督らは幼く見える、18歳以上の新人女優たちをオーディションし、実験内容に同意した3人のキャストを選んだ。選ばれた3人の女優たちは、撮影スタジオに建てられた3つの子ども部屋で“12歳の少女”として10日間を過ごし、1日12時間にわたってSNS上でチャットを行なう。SNSに触れる子どもたちが、日常的にどんな危険に遭遇しているのかを実証するための実験だった。
「自分からは連絡しない」「12歳であることをハッキリと告げる」「誘惑や挑発はしない」などのルールが設けられているが、チャットやスカイプで誰とどんな会話をするのかは3人の女優たちにそれぞれ任せられている。監督やスタッフ、さらには精神科医や弁護士といった専門家が3つの子ども部屋のセットを見守る中、前代未聞の実験が始まった。
写真付きのアカウントがSNSにアップされた瞬間から、次々とアクセスが殺到する。ほとんどが男性、それも中年男性が多い。10日間にわたって2458人もの成人男性がコンタクトを求めてきた。まるで飢えたピラニアのごとく、“12歳の少女”に群がってくる。そこから先は脚本なしで、“12歳の少女”になりきった女優たちは男性ユーザーとネットを介して会話することになる。
男たちは、“12歳の少女”に何を求めてアクセスしてくるのか? 「私、12歳だけどいいの?」と尋ねると、「何が問題なんだい?」「かわいいいね。ちょっと胸を見せてくれる?」と欲望むきだしで迫る。「一緒にオナニーしよう」と提案する者もいれば、自分の男性器を写した画像をいきなり送るつけてくる者もいる。会話中に勝手にオナニーを始め、射精すると同時に一方的に切ってしまう者もいる。SNSの世界はまさに無法状態だった。
覚悟していたとはいえ、女優たちも監督たちも、エロしか頭にない男たちのあまりの身勝手さに、実験開始そうそうにドン引きしてしまう。
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