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菅総理、二階の「五輪やめる」発言に怒り心頭も命運を握るのは全敗もあり得る“広島補選”

外交も空振り、コロナ対策も後手に…それでも強気の菅総理

 さて、もう一人のポピュリスト、菅首相が訪米・帰国したが、日米首脳会談の直前に、二階俊博幹事長が、コロナ感染拡大が止まらなければ、

「これ以上とても無理だということだったらこれは(五輪開催=筆者注)もうスパッとやめなきゃいけない」

 と発言したのである。菅にとっては予想外で、怒り心頭だったであろう。

 菅が目論んでいた「バイデンを五輪に招待」も、バイデン側に「菅の五輪開催への努力は支持する」と軽くいなされてしまった。

 最後の頼みと、ファイザーのブーラ最高経営責任者と電話協議して、「9月末までに日本へのワクチンの追加を要請した」。向こう側からは「協議を迅速に進めたい」と話があったと朝日新聞が報じているが、口約束で覚書を交わしたわけでもないようだ。

 それでも菅は、「9月いっぱいにはすべての国民にワクチンが行き渡る」と語り、河野太郎担当相も、それをオウム返しに伝えているが、丸ごと信じている人間はほとんどいまい。

 ここで9月末までにという「期限」がでてきたのは、菅の中に、五輪開催か国民全員にワクチン接種をやれば、解散総選挙で勝てるという「皮算用」があるからに違いない。

 文春でも、菅は何が何でも五輪を開催して、その勢いで9月9日に解散、10月10日投開票で衆院選を勝ち、総裁選無投票、長期政権を狙っているというのだが、このオジン、国民が今何を考えているのか、まったくわかっていない。

 五輪不開催、9月にワクチンが全員に行き渡らなければ、菅は辞任すべきであると、メディアは大声で主張すべきだ。

 さて、コロナの感染は変異種との闘いという新たな段階になってきた。新潮によれば、変異種のスクリーニングを積極的に行っている神戸市に聞くと、3月22日から28日の新規陽性者のうち、76.2%が変異種、それも英国株だという。

 いまのところ変異種の死亡率は低いものの、英国株は子どもに感染しやすく、重症化しやすいといわれる。そのためにもワクチン接種が急がれるが、高齢者への接種が始まった八王子で、65歳以上が16万人いるのに、第1弾は1950回分だけで、全体のわずか1.2%でしかない。

 今朝(4月19日)、かかりつけの医者の所へ行ってきた。先週末に、中野区から後期高齢者へのコロナワクチン接種の申し込み用紙が届いたので、接種場所はあなたのところでいいのかと、聞きにいったのである。

 しかし、医者のほうも、私もまだ接種を受けていないし、いつ、どれくらい入荷するのかもまったく知らされていない。

「元木さんがネットで申し込みができたとしても、接種が受けられるのはまだまだ先になる。それに、私のところにワクチンが来たとしても、5日間しか保存できないから、患者さんに連絡して、打てますよといっても、都合が悪いといわれてしまったら、ワクチンが無駄になるかもしれない」

 早くても、元木さんが受けられるのは5月末ぐらいになると思うといった。

 そうならば、後期高齢者と高齢者が打ち終わるのは6月末、それから64歳以下が始まるとしても、ワクチンが足りるのかは、まだまだ不透明である。

 菅がいうように万が一にも、9月末までにワクチンの供給ができたとしても、五輪開催には間に合わないのだから、事実上、開催はできないと白旗をかかげたのと同じではないのか。

 広島などの補選の予想が朝日などに載っていたが、自民党はよくて1勝2敗、全敗も十分あり得るようだ。
 そうなれば一気に、菅降ろしが始まる。そうでなければ、解散もできずに「野垂れ死に」か。どちらにしても菅の命運は決まったといってもいいだろう。

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