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福田麻貴の「容姿ネタ捨てる」宣言で浮き彫りになる、変わらないテレビ業界への失望

福田麻貴の「容姿ネタ捨てる」宣言で浮き彫りになる、変わらないテレビ業界への失望の画像1
3時のヒロイン 福田麻貴公式インスタグラム

 お笑いトリオ・3時のヒロインの福田麻貴がツイッターで「私達は容姿に言及するネタを捨てることにしました!」と宣言した。

 かつてのお笑い界では、“デブ”“ハゲ”“ブス”などの容姿をイジることは当たり前とされていたが、昨今では多様性を排除し、容姿によって優劣をつけるようなネタは好ましくないとされている。まさに、福田はこの時代に合った形のお笑いを目指そうとしているようだ。

「女性芸人に対して、容姿イジりを求めてくるテレビ番組はいまだに多い。3時のヒロインも、福田がこの宣言をする直前に『エンタの神様』(日本テレビ系)で容姿イジリネタをやっています。福田としては不本意だったということでしょう。本当ならわざわざ宣言しなくてもいいのでしょうが、テレビ業界の人々があまりにも遅れているため、『容姿ネタを捨てる』と宣言しておかないと、また容姿イジりを求められてしまう。なんというか、テレビ業界に対する失望の念が見え隠れする宣言です」(お笑い関係者)

 テレビではいまでも容姿イジりが展開されているが、若手のライブレベルではすでに容姿イジリは過去のものとなりつつあるという。福田は4月18日放送の『ワイドナショー』に出演し、そこでも劇場で容姿イジリがウケない現状を吐露した。また、同番組でEXIT兼近大樹も、若手世代は「おじさん世代に笑っていただくためのサービス」として容姿イジリをしていると発言した。若手ライブにたずさわる構成作家はこう話す。

「いま若手の劇場で、ブスイジりやデブイジリをすると、ウケないどころか、お客さんが引いてしまう。“これって問題ありなんじゃないの?”という空気になるんです。そのあたりは正直、芸人よりもお客さんのほうが敏感になっていますね。あとは、激しく頭を叩くようなツッコミも同様に引かれることが多い。芸人たちの感覚としては、多様性云々ということもありますが、それ以前にウケないから容姿イジリはやらない、という感覚が強いようです」

 若手芸人はすでに容姿ネタを“ナシ”と判断しているのだ。では、兼近がいうところの「おじさん世代」の芸人たちは、どうして容姿イジリをいまでも好むのだろうか。

「長年容姿イジリを“アリ”としてきたベテラン芸人たちは、なかなかすぐに考えを変えることができない。自分たちのこれまでを否定することになりますからね。それはテレビ業界も同じです。ただ、ベテランもテレビ業界も、そんなことは言っていられない。しっかり変わっていかないと、単なる古いものとして置いていかれます。容姿イジリを許していた状況が間違いだったと認めることが、次世代に生き残っていく最低条件になっていくでしょうね」(同)

 福田麻貴の宣言は、想像以上に意義深いものだったと言えるはず。ベテラン芸人やテレビ業界は、真摯に受け止めなければならないだろう。

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2021/04/20 11:00
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