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TBSが”脱・略称宣言”!? 新火曜ドラマ 『着飾る恋には理由があって』は制作陣の本気度が違う

『着飾る恋には理由があって』
『着飾る恋には理由があって』公式サイトより

 パッとしない火曜ドラマの立て直しに必死なTBSは、今度こそヒット作が生み出せるのだろうか。

 火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)が本日4月20日からスタートする。主演を務めるのは川口春奈。インテリアメーカーの広報として活躍し、フォロワー10万人を持つインフルエンサーという“着飾る女”真柴くるみを演じる。相手役となるマイペースな性格のミニマリスト・藤野駿には、2019年の火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』で一躍人気若手俳優に名乗りを上げた横浜流星が抜擢された。物語は、真柴がひょんなことからルームシェアをはじめるところからスタートする。藤野をはじめさまざまな価値観を持つ同居人と暮らすなかで、真柴の価値観も変わっていく……という“うちキュン”ラブストーリーだ。

 かつては原作モノの映像化で攻めていた火曜ドラマだが、昨年大ヒットした『私の家政夫ナギサさん(わたナギ)』を最後にオリジナル路線に切り替えており、今回の『着飾る恋』も完全オリジナルストーリーとなっている。本来、原作のあるなしは問題ではないが、オリジナルドラマが大きなヒットにつながっていないのが現状だ。そんな状況のなかで集められたのが、今が旬の制作陣だ。脚本には、昨年『恋はつづくよどこまでも』で支持を得た金子ありさ、プロデューサーには『MIU404』『わたし、定時で帰ります。』などの新井順子、そして演出には『MIU404』『グランメゾン東京』などジャンルを問わず話題作を手がけてきた塚原あゆ子。この3者がタッグを組むラブストーリーは3作目だが、いずれも原作モノであり、完全オリジナル作品は初となる。

 意気込みの違いは、すでに放送前から感じられる。まず、これまで火曜枠がこだわってきた“略称”をしないと公式に宣言。先月まで放送していた『オー! マイ・ボス! 恋は別冊で』なら『ボス恋』と略すなど、長らく火曜ドラマにはタイトルの略称があったが、もはや惰性で続けられており無理矢理感が否めなかった。3月のキャスト発表生配信で視聴者から「タイトルの略称は?」と質問がきた際に、新井プロデューサーが「略しません!」とすかさず念押ししたという。出演する川口と横浜も<切るなら『着飾る恋』!>と強調した。

 さらにドラマといえば衣装にも注目が集まるが、今回は「Rakuten Fashion」との公式コラボが打ち出されている。前クールの『ボス恋』でもファッション関係の企画は可能だったように思うが、こうした点も制作陣の違いなのだろうか。

 脚本としても、完全オリジナルと銘打つにふさわしいと言える。オリジナル路線に突入以降の火曜ドラマは、『この恋あたためますか』はBL漫画に、『ボス恋』はアメリカ映画に設定が似ているという“疑惑”が放送前からあるなど、出鼻をくじかれる残念さがあった。また、インフルエンサーである主人公は華々しく一見遠い存在に感じるが、SNSで“着飾る(よく見せる)”という経験に多くの人は覚えがあるはず。そんな誰もが持つ欲から展開していくドラマは、ラブストーリーのかたちをしながら、実は恒久的なテーマを扱っているのではないだろうか。

 制作陣にも精鋭が集められた『着飾る恋』。ただのラブストーリーに終わらない名作を生み出し、必死さがにじむ火曜ドラマを改革できるだろうか?

■番組情報
火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』
TBS系 毎週火曜日22時~
出演:川口春奈、横浜流星、丸山隆平(関ジャニ∞)、中村アン、山下美月(乃木坂46)、高橋文哉、向井理、夏川結衣、飯尾和樹(ずん)、赤ペン瀧川、木本夕貴ほか
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、棚澤孝義、府川亮介
プロデューサー:新井順子
音楽:神山羊、兼松衆、田渕夏海
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kikazarukoi_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/04/20 10:00
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