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世界は映画を見ていれば大体わかる#6

ロック様の出馬で考える、アメリカ大統領を描いた映画3本!戦争のでっち上げ、浮気性、貧弱…トランプもぶっ飛びなヤバい大統領たち

ロック様の出馬で考える、アメリカ大統領を描いた映画3本!戦争のでっち上げ、浮気性、貧弱…トランプもぶっ飛びなヤバい大統領たちの画像1
写真/GettyImagesより

 『ワイルド・スピード』シリーズなどに出演するプロレスラーにして俳優のドウェイン・ジョンソンことロック様が大統領選に出馬する意向、という話題が世間を騒がせている。これはある調査会社のリサーチで46%の米国人がロック様に投票するという結果を受けてのことで、本人もまんざらではない模様。

 今回は、ロック様が本気で大統領選に挑戦する気なのか? という点をアメリカ大統領を描いた数々の映画から分析してみよう。

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ビッグゲーム 大統領と少年ハンター

『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』(2015)は、大統領専用機が側近の裏切りによるテロ行為でフィンランド山中に墜落。偶然山にいた少年ハンター、オスカリに救われた大統領は二人して脱出を目指す。

 大統領を演じるのは、黒人スターのサミュエル・L・ジャクソン。普段は強面の頼れる兄貴分的役割ばかりの彼だが、本作では人気は最低、腕立て伏せもできないという貧弱大統領。オスカリもハンターとしては半人前で、自信なさげな少年に大統領は、「中身はどうでも強く見えることが大事なんだ」として、就任演説の直前にズボンの前を小便で濡らしてしまい、草稿で濡れた部分を隠したんだ、というエピソードを披露。

「その時、俺はまったくビビッてなかった。バレなかったぜ」って物凄くダサい話を自慢気に語られても!

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ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ

『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』(1997)は、選挙を11日後に控えながら性的なスキャンダルで大ピンチに陥った大統領を救うべく雇われた揉消し屋のロバート・デ・二ーロが、架空の戦争をでっちあげるという話。

 国民に信じ込ませるためにハリウッドのプロデューサー、ダスティン・ホフマンを引き入れ、彼のプロデュースで「アルバニアとの戦争」「戦火から逃げ惑う少女」「敵国に取り残された兵士」「兵士を称える歌」……を次々繰り出すとマスコミは疑いもせず架空の戦争を報じ続け、国民も乗せられスキャンダルのことなど忘れてしまう。

 でっちあげの裏事情を見せられてるから「なんで信じるの?」と思うけど、真相がわからないと騙されてしまうものなんだなあ。

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元大統領危機一髪/プレジデント・クライシス

 最後に取り上げるのは『元大統領危機一髪/プレジデント・クライシス』(1996)。

 現役大統領のヘイニー(ダン・エイクロイド)が収賄で失職しそうになり、すべての責任を前々大統領のクレイマー(ジャック・レモン)に押し付けようとする。それを聞きつけた前大統領のダグラス(ジェームズ・ガーナー)は、このネタを使って大統領に返り咲こうとするが、ヘイニーはエージェントを使って暗殺を目論む。間一髪逃げ出した二人は協力して現大統領に立ち向かうが、二人は何十年もの間、政界で争っていた犬猿の仲だったのだ……。

 自伝本や料理本をいくつも出して「小銭稼ぎ」呼ばわりされているクレイマーと、常に愛人が何人もいる「女ったらし」ダグラスの二人が呉越同舟の旅の中、ある家族のキャンピングカーに乗せてもらうのだが「国民の声なんか聞かなくていい。あいつらはいつも増税反対しか言わないさ」。そう、つい本音を漏らす。

 だが、この夫婦はクレイマー政権時に職を失い、ダグラスの時に不景気で家を失った。この車が家だった。国の抱える問題から自分たちが如何に目を背けていたかを知り、国のために共闘しようとする。クライマックスはどんでん返しのオチが何度もあって目が離せない。ちなみに本作は未DVD化で、U-NEXTの配信でしか見られない!

 ロック様が本気で大統領選に挑むなら、この3作品から学んでほしい。強く見せることが大事だ……は、あの見た目だから問題なし。アメリカの抱える問題から目をそむけてはいけない。旅をすることを勧める。仮にスキャンダルが起きたとしても大丈夫。

 ロック様はWWEのシナリオライターとハリウッドのプロデューサー、どちらにもコネがあるんだから、架空の戦争をでっちあげてくれるよ! ってそれじゃダメだろ!

しばりやトーマス(映画ライター)

関西を中心に活動するフリーの映画面白コメンテイター。どうでもいい時事ネタを収集する企画「地下ニュースグランプリ」主催。

Twitter:@sivariyathomas

しばりやとーます

最終更新:2021/04/18 06:00
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