インド、アメリカ、中国が同盟を結んだ! フォークで食べる常識破りのジャンクかた焼きそば
#かた焼きそば #MARUOSA #西大島
愛らしくなる無邪気な味
これまでのかた焼きそばに対する常識が、いともたやすく崩れ落ちた。
具材はタマネギ、トマト、マッシュルーム、エビ、グリーンピース、ピーマン、インゲン、千切りのニンジン、ブロッコリー、ネギ。肉はスパイスで下ごしらえしたマトンと鶏。山頂には目玉焼きが鎮座ましましている(「ベジ」を注文すると目玉焼きがトッピングされない)。
揚げ麺は中太ライト揚げ、あんかけはマンチュリアン(満州風)ソースをベースにしたものだろうか。トマトケチャップにニンニクと醤油(日本の醤油よりもソースに近いもの)などで味付けしたインド中華の要というべきソースである。
……と、ひとしきり羅列してみたが、今読み返してみても脳がクラクラする。定石外の妙手だ。
郷に入っては郷に従え。
考えるな。感じろ。
普通のかた焼きそばであれば大悪手、味覚崩壊待ったなしである。しかし、今回の相手はアメリカ的ジャンクかた焼きそば、コカ・コーラこそ最善手だろう。ジャンクをもってジャンクを制す。
見た目通り、本格的とはほど遠いが、チープかつ適度にスパイシーな味付けがなかなかどうして癖になる。となれば、コカ・コーラとの相性も推して知るべし。しかも、箸ではなくフォークで食す。もはや「食事」というより「おやつ」だ。
そう思うと、この無邪気で奔放な味がとても愛らしく、どこか懐かしさすら覚える。
未来を夢見て、希望に満ち満ちていた幼少時の記憶。あの頃は何にでもなれた気がした。それがいつの間にか現実と常識の鎖にがんじがらめになり、窮屈な世の中を生きている。無論、この鎖は自分自身で作り出したものだ――。
そんな凝り固まった固定概念が、口に含むたび取っ払われ、浄化され、覚醒していく。脳裡では細野晴臣と横尾忠則の共同制作アルバム『COCHIN MOON』収録曲「HEPATITIS」が幻燈画のごとく去来する。
なるほど、これはまごうことなき「インド」であり、「アメリカ」を感じさせる「中華」だ。印米中三国同盟締結。現実社会では起こりがたい無理難題を、手と手を取り合って解決してみせたアメリカンチャプスイ。
食の世界はいつだって平和だ。
<INFO>
・南インド料理 マハラニ
住所:東京都江東区大島3-15-29
ランチ :[火~金]11:00~14:30(L.O.)
[土日・祝]11:00~15:00(L.O.)
ディナー:[月~金]17:30~22:30(L.O.)
[土日・祝]17:00~22:30(L.O.)
定休日:月曜日
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